Mar.17.2017

Making Cover Look

ガモウニュース3月号 撮影の舞台裏☆HONDA PREMIER HAIR INTERNATIONAL MASA HONDA 氏

こんにちは、ガモウニュース編集担当です。
春も本番を迎えました。今年最初となるGAMO NEWS のテーマは、“雰囲気”を意味する「Atmosphere」。
カバー&ヴィジュアルを手掛けていただいたのは、HONDA PREMIER HAIRINTERNATIONAL のMASA HONDA 氏です。
SNS で多くのフォロワーを持つモデル、アリスムカイデさんにどのような雰囲気を纏わせたのでしょうか?





MASA HONDA 氏がイメージする「Atmosphere」とは



Atmosphere を「雰囲気」と日本語にすると、人それぞれの捉え方があると思うのです。僕は、日本だからこそ存在するものとして、今や海外の文化やファッション業界にも影響を与えている「アイドル」をテーマにしました。

そこで今回は、圧倒的なキャラクターを持つ昭和のアイコンたちの雰囲気コンセプトに入れていこうと、松田聖子さん、山口百恵さん、麻丘めぐみさんをピックアップ。それぞれが放つ独自な雰囲気と世界観を完全にオマージュしました。彼女たちを現代的にというより、僕的に表現をした形です。アイドルのルーツを辿ることは、日本のカルチャー・ファッションのルーツを辿ること。それも美容師として大事なことだと思います。リアル世代には懐かしく、若い世代の方は新鮮なものとして映るかもしれません。それぞれの世代が何か新たな発見をしていただけたら嬉しいですね。





表紙・コンテンツの作品

淡い珊瑚礁 1


中面の作品(右)

私の彼はお世話好き1


中面の作品(左)

夢先付添人1




“生きる強さ”を感じさせる、女性像のパワー



今回、ピックアップしたアイドルたちのレコードジャケットを改めて見て思ったことは、当時のヘアやメイク、ファッション、写真にパワーがあるように見えるのですが、一番パワーを感じるのは女性像です。女性像のパワーがあればあるほどそれは確立しています。ヘア、メイク、ファッション、写真はあくまでも表面的な美しさを作るものです。逆に言えば、当時のアイドルたちの生きる強さがあったからこそ、流行りのヘアとメイクが生まれ、今、形として残っている。僕はそこにフォーカスしました。


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今回、モデルをお願いしたアリスムカイデさんは、で2万人超のフォロワーがいるクリエイターですが、モデルエージェントなどには所属していません。当時のアイドルたちは、自由がなく、プロデューサーが考える世界観に自分をハメていかなければならないという意味で、強くなければならなかったと思いますが、彼女は、SNS で自由に自己発信ができます。しかし、誰のサポートもないところで活動し、数万人のフォロワーから支持を得るということは、やはり簡単ではない。「自分ひとりで生きている」という強さを感じたことが、今回、彼女を理由です。身長170 ㎝で9頭身というニュータイプの型に、昭和のアイドルの雰囲気を乗せたら面白いのではないかと思いました。様々なキャラクターを持っている人なので、是非、instagram(https://www.instagram.com/arismukaide)で今回の彼女との違いを比べてみてください。

日本の社会も美容業界もいまだ男性性が強いですが、これからは女性性が大事になってくる時代だと思っています。彼女たちのような“女性の強さ”がこれからの美容業界も変えてい く。それが今回のコンセプトになっています。



カット・スタイリングのポイントは、ベーシックからのスタート



最初から基盤なしで作っていくのではなく、いかにベーシックからスタートし、自分なりに壊していくかということを、今回のスタイルを作る上での鍵にしました。一番重要視したのはプロダクトの使い方です。少しマットにしたり、ツヤを出したり、何種類もプロダクトを重ねてみたり、あえてあまり使わなかったり、質感を変えることにより、女性の雰囲気を変えることができます。ベーシックの延長線上を壊していくのは難しいことですが、プロダクトや道具をベーシックではない使い方をすると面白い発見があります。

若い美容師さんへのアドバイスとしては、クリエイションの撮影では、いろいろと準備をしておくこと、「仕込み」というものがすごく大事だということです。僕は、完成形を決めてから撮影に臨むのではなく、アウトラインだけを考えておいて、内容は現場で決めていきます。今回もスタイルごとにウィッグを2個ずつ用意していました。



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チームでクリエイションを行う理由



今回は、カメラマン、アートディレクター、メイク、ファッションスタイリストというチームでクリエイションを行いました。メイクや衣装は、サロンのスタッフや自分でも出来るこ となのですが、それぞれのプロを入れることで、化学反応を起こし、自分の想定を超えていくためにチームを組んでいます。僕は25 歳ぐらいから海外のファッション業界に入って活動をしていたので、アートディレクターを入れたチームでやっていくことが多く、今もそのスタンスは変わっていません。

僕が元のアイデアを出しているのですが、今回、共有した資料はオリジナルのレコードジャケットだけ。それを元に各アーティストたちが今、これをやるのであればどういう表現がベストなのかを考えてくれました。表現というものに正解はないので、徐々に見つけ出していって最後答えを出していく。今回は皆が納得したものがゴールになりました。撮影に12 時間もかかってしまったのですが、僕としてもチームとしても答えが出ないので あれば終われないというのがアーティストとしての意識でした。今日作ったものは5 年後、10 年後、自分達のアーカイブとなり、新しい何かを作っていく材料になっていくので、決して諦めることはできないのです。

また、この作品が、世の中から見てどう評価されるかという概念は持っていません。自分達が良いと思うものが今のものになっていくという概念です。 それは自分達にプレッシャーをかけるということでもあるのです。
 


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クリエイションに対する僕の考え



今の美容業界のクリエイションの形って、いかにリアリティー(サロンスタイル)とつながっていることが必要かということで、クリエイションがコンサバティブなものになっている と感じています。そのやり方は一つの考えとしていいと思うのですが、クリエイションという場はサロンとは違うので、なんでもやっていいと思うのです。なんでもやっていい機会だから、こんなプロダクトを組み合わせてみよう、こんな使い方をしてみようと普段できないことを極限までやることができます。そのプロセスで考えたものや答えが一番学べることなのです。これから先20 年、30 年とか一生この仕事で食べていくのであれば、挑戦し、限界を超えていくことが必要です。そういうことが未来の自分を作っていくと僕は思っています。

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若い美容師さんへメッセージ



社会や組織、業界に入ると色々なルールがあって、理に適ったような動きをしないといけないことが多くあると思います。でも、それは当然のことなのです。僕は、その限られた枠や 制限の中で自由を見つけたり、何かをやれるって、豊かな証拠だと思うのです。こういう環境だからこそ、学べることがあると想像して、自分達にフィットしないものをプラスに捉えて耐えていく。本当に嫌な事や大変なことは、見方を変えてみるとその反対になることも多いのです。

あと、もうひとつは、純粋に自分がいいと思うことをやっていったらいいと思います。そういう時間を増やしていく。自分がいいと思ったことを信じていく。 どうありたいのか、どう生きたいのか、突き詰めていくとどんどん狭くなっていき、どんどん大変になっていきます。会社の中に入っていけばいくほどそうです。そこで辞めてしまう人も多いのですが、そこを抜けると逆に広がっていくという感覚が僕にはありました。皆さんも続けていけばその感覚を共有できると思います。頑張っていきまし ょう!




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COVER LOOK BY
MASA HONDA_ HONDA PREMIER HAIR INTERNATIONAL


HAIR/ MASA HONDA(HONDA PREMIER HAIR INTERNATIONAL)
MAKE-UP/MICHIKO CHIBA
FASHION STYLIST/HIROKI NAKAYAMA
ART DIRECTOR/TAKAYUKI SHIBATA
PHOTO/TAKASHI MURATA
MODEL/ARISMUKAIDE



プロフィール
MASA HONDA
1999 年からParis,London,New York で、美容、ファッション、文化を学ぶ。2005~2008年、 Peter Gruy 師に師事。Vivienne west wood・HERMES・など100 本以上のメゾンコレクショ ンをTeam director として担当。現在、日本を拠点に、Honda Premier Works 代表取締役を 務め 2011 年にHONDA AVEDA hair&spa を辻堂にオープン。2013 年、AVEDA JAPAN creative director(Purefessional)に就任し世界各国でのメゾンブランドのコレクション、ファッシ ョン誌、広告撮影、ヘアショーなどの場で活動している。 http://honda-phi.com