Nov.30.2017

Making Cover Look

ガモウニュース11月号 撮影の舞台裏 boy_茂木 正行氏

GAMO NEWS、今号のテーマは、地球や球体を意味する「Globe」。
カバー&ヴィジュアルを手がけていただいたのは『boy』の茂木 正行氏。
かつてロンドンをベースに活躍し、これまでに世界64カ国でデモンストレーション。
東京とタイにサロンを構える、ワールドワイドな美容師からのメッセージ。



茂木氏がイメージする「Globe」とは?



最初の印象で、僕たちがやっていることを言っているテーマだなということが分かって「お前、いつもカッコつけているんだから、ブラジルの先まで届くような 作品をお願いしますよ」と言われているように感じたの。

僕はイギリスで「世界に対して役立つような美容師になれ」という教えを受けているから、今回はかなり“JAPAN”を意識して、世界中の美容師に「いいな」と思ってもらえるものをメイド・イン・ジャパンとしてイメージしました。



表紙・コンテンツの作品

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中面の作品(右)

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中面の作品(左)

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表紙のスタイルは、その名も『TANIZAKI』



僕ら、ヘアデザインのインスピレーションは基本的に本から得ることが多いね。一番てっとり早いのは小説で、新しいところでは、三島由紀夫や谷崎潤一郎、泉鏡花。彼らの文章表現は、自分流にイメージを変えることができるぐらい色々なものを見せてくれます。


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表紙のスタイルには『TANIZAKI』という名前がついているのですが、その名の通り、谷崎潤一郎が、小説『陰翳礼讃』で風の儚さや美しさについて説明していたことがカッコいいなと思って。そこからイメージをして、10年以上前のboy LIVEで生まれたオリジナルのカットです。


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まずカラーは、顔まわりの内側一周と表面に細かくハイライトで一回ブリーチをして抜いてから、その部分だけピカラ(ムコタ)のレッドを単色で2液を3%入 れ、ブリーチオンカラーをしています。カラーはメイクの色と合わせています。


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このカットは、後ろはボブだけど、サイドは残しているのがポイント!
残した部分は、脇で縛ってみたり、上にアップしたりするとボブに見えるし、色々なバリエーションが楽しめるスタイルなんです。
彼女に似合っていて、とっても可愛いでしょ?

モデルの彼女のように、「ロングからボブに切りたい」という子には、サロンでもサイドを残しておいてあげるの。
だって、いつ切ってもいいんだし。それじぁ、次回はこうしようかって展開が進むでしょ。それが本当の顧客管理!


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でも 10 年前、このスタイルが出来た時、不安だったんです。本当に可愛いのかなって。だって、世界にないから。
でもある時、ヒースロー空港で、『TANIZAKI』カットをした僕のお客さんが税 関待ちで並んでいたのね。それを4、5人が指を指して何か言っていた。一人 の男の人が「あーいう髪型は絶対、嫌だよね」。他の人は、「でも、ああいう 髪型もあるんだね」「なんで、ああいう風にするんだろう?」と話していたのです。この人たちは、たまたまかもしれないけど、見て違和感があったわけな んですよ。違和感っていいじゃないですか。世界の果てで違和感を感じてもらう。で、これはいけるなと思ったんですよ。「変だね」「嫌だね」と言っていても興味を持ってもらえるってことは、楽しいことです。



もう一つのスタイルは、小生意気の『生ちゃん』



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モデルの彼女は、アート系の学生さんなんだけど、「どうなりたいの?」って聞いたら、「髪の毛なんか半分なくってもいい」「髪を白くしたい」と言うので、僕らが『生ちゃん』と呼んでいるスタイルにしました。

僕らがイギリスから日本に帰国して店を始めた1980年代、日本はファッションが少しだけ遅れているというか、ちょっと地味というか、そういう風に見ていたのね。 でも、そんな時、boyに入社してきたスタッフの女の子がさ、「両サイドを剃ってほしい。私、髪を立てたいから」って言うんだよ。その雰囲気が、ちょっと小生意気でいいなと思って、以来、サイドに刈り込みを入れたスタイルを、うちでは、男でも女でも『生ちゃん』と呼んでいるんです。

今回、カラーは、根元1センチ残してブリーチを3回した後にツヤを出すため、カラーストーリー オアシック(アリミノ)のシルバーグレーを全体にコーディングして、5分程放置して流しています。


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モデルさんの「なりたい」を汲み取りながらデザインを創る



僕たちは、クリエイティブの撮影もサロンワークも、同じテンションでやっています。
まず、インスピレーションがあって、その後、「どうなりたいの?」というモデルさんとのやりとりは必ずある。

最近やっとお客様に、何をやっても可愛くなってしまうようになったんだけど、その子が「こうやってみたい、あーやってみたい」というのを上手く汲み取りながら、自分のアイデアを膨らませてデザインを創る。それがお互いにハッピーだと思うんだよね。


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独自のトレーニング方法「MDS」を導入



自分の納得のゆくHair Cutが出来たらいいな。 何年か前にフッと思ってしまいました。もちろん不可能とも思いました。
で、可能性はただ一つ、モーレツな練習を自分自身で感じる。1日1日の変化と進歩。これしかない!
思いっきり練習。Cafe でお茶しながらでも練習。てなわけで、30 年前に作ったのが「MDS」という瞑想を入れたトレーニング方法です。

M・・・メディテーション
D・・・デッサン
S・・・シミュレーション



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毎日、朝昼晩、頭の中でカットするの。これを真剣にやれるようになると、切りすぎたり、至らないところを自分でチェックできる。それができるようになるには絵(デッサン)が描けるようにならないといけないのです。絵が描けるようにリラックスする。お客様を描く時に一瞬自分の心を静めることが大事なのです。それをメディテーション(瞑想)で培うのです。

boyでは朝のレッスンでメディテーションをして、それからデッサンをして、頭の中で切って、それで終わりでもいいし、その後、モデルさんとかウィッグを切る練習が入ってくる時もある。それを毎日やっています。

お客様に、できるだけ似合うように、似合うようにとやるんだけど、その先にはその人が喜ぶようにやらなくてはならない。そのために僕たちは、絵を描いてお客さんに見せています。絵があるとそれがお互いが戻れる場所になる。

美容師は絶対、絵が描けた方がいい。絵を描くと自分が作っているスタイルがダサいのがわかるんだよ。

MDS は、自分自身が伸びていくための一番のツールなの。
自分自身の確認ができると、自分自身が伸びているのか、伸びていないのか確認できる。
今の美容師さんはスタイリストになると練習をしない人が多いから、自分が技術的に、人間的に素晴らしくなっているのか、なっていないのか、確認ができないんだよね。お客さんがいるだけで偉いになってしまう。

お客さんがいれば、ガモウは喜んでくれていると思っているでしょ?
でも違うの、ガモウは、「あなた自身の幸せも感じて美容師をやってください」と思っているの。ただ数字じゃないよ。

逆にそんなに数字がぶっ飛んでいなくても今度のboyの新店舗のような超カッコイイ店、やれるのよ。
ソフトの部分の練習もしっかり出来る店ならば。
自分自身が本当に成長しているのか、楽しんでやれているのかを確認するために、あなたのサロンでも是非、「MDS」 をやってみてください!


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COVER LOOK BY
MASAYUKI MOGI_boy


HAIR/MASAYUKI MOGI(boy)
COLOR/YUI NOTANI(boy)
MAKE-UP/YOKO HOSHINA(boy)
PHOTO/DAI(boy)
MODEL/TAMARI、RIO




mogi-san


プロフィール

茂木 正行
ヴィダル・サスーン・アートディレクターとしてロンドンをベースに世界中60カ国以上でデモンストレーションを開催し、帰国後「boy(ボーイ)』設立。のち、渡仏(パリ)。ヘアメイクとして、星名陽子氏と共にヘアショー並びに画家、舞踏家、写真家、音楽家、詩人らと創作活動を展開。ディスコネクション「HAZUSHI」のテクニックを発表して、サロンワークを展開しながら現在に至る。2010年夏、タイの首都バンコクにサロン「boy Rikyu」オープン。2011年11月、代官山にスタジオを改築したサロン「boy Attic」オープン。2012 年、タイの首都バンコクに2店舗目のサロン「BOY」オープン。新しい練習法「MDS」を発見して新たな美容の可能性を発表中。2018年1月11日、原宿に新店舗をオープン予定。

http://www.boy-inc.com