Sep.22.2017

VISIONARY

NUMBER_19 松木 宏紀氏 / D.C.T.

JHAやWELLA TREND VISION awardをはじめ、 国内の数あるコンテストを総なめにし、世界で戦えるトップクリエイターにまで上り詰めた三重県『D.C.T.』の松木 宏紀氏。
常に学び、行動し、追求し、挑戦し続けてきた美容人生を聞いた。



hiro2

松木 宏紀 Hiroki Matsuki
D.C.T.代表





理容師から美容師へ。25歳の若さで一店舗目を開業



三重県で理容業を営む家に生まれた。父親の 背中を見て育った氏は、自身も理容師になることを目指し、大阪の理容店で修。才能はすぐに開花し、21歳でスタイリストデビュー、23歳の若さで店長を任されるまでになった。しかし、時はカリス マ美容師ブーム。もてはやされる美容師を見て、なぜ同じ髪職人なのに、こんなにも世間からの想われ方が違うのだろう。「美容師に負けたくない」という想いが、美容の勉強に向かわせたという。

「25歳で地元に戻ったのですが、親父は何十年ものキャリアがあるし、僕も店長をやらせていただいていた自負があったので 、同じ店で働くと衝突するのは目に見えていました。集客の層も違うことから、僕は理容登録でユニセックスなヘアサロンを構え、そこからスタートしたのです」

技術的に未熟な部分もあったと振り返るが、氏には若さ故の勢いがあった。大阪で腕を磨 いた“話術”も武器に『D.C.T.』はオープンから 瞬く間に繁盛店となった。

「三重の中でも、いなべ市は猿が走っているぐらい自然豊かな地方です。しかし、今年で15年になりますが、自信を持って言え ることは、人が人を繋げてくれること。値引きは一切せず、紹介のみでやってきましたが、ありがたいことに2、3週間先まで常 に予約が埋まっている状態で今もやらせてもらっています」




OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ウエラトレンドビジョン2015


DCT店内8797

D.C.T.




土地に魅力がなければ人に魅力をつけるしかない



しかし、お客様は多くても、従業員が増えないことが悩みだった。そこから経営の勉強を始めたという松木氏。「地方の経営者はクリエイティブが強くないと名前が売れていかない。働く土地に魅力がなければ人に魅力をつけるしかない」。RITZの金井豊氏から受けた助言をきっかけに、クリエイティブワーク、コンテストへの挑戦が始まった。

「JHAのことを教えてもらい、とりあえず目指してみようと思いました。まず、モデル事務所とカメラマンを年間契約し、第1月曜は撮影。1日4カット、モデルは常に2人使うことを決めました。理容師だったので、最初はウィッグのネットの被せ方もわからなかったし、長い髪や外人 モデルの扱いも経験が少なかったので最初は冷や汗を掻きながらやっていましたね。作品を撮ったら、深夜バスで一人東京に行き、クリエイティブに強い業界誌5社に売り込みをかけてまわる。それを4年間続けましたね」

クリエイティブを始めて1年目に、JHAの中部エリア賞にノミネート。そこから雑誌に作品が多く掲載されるようになり、セミナーや美容学校の講師も務めるようになった。松木氏の知名度の高まりに比例して求人の応募者数も増えたという。スタッフ体制も整い、2013年には2店舗目の『ame』を四日市に出店。敷地内には、結婚式の 2次会 なども行うことができるスタイリッシュなカフェ『Anniversary café』も併設されている。

「名古屋の栄や東京、大阪の出店も考えていました。でも、編集者に『三重だからできることがあるんじゃないの?』と言われ、確かに、ここには 都会の人が真似できない敷地幅や光や風がある。地方の人には真似できないデザイン力をテーマに、“三重の表参道”をつくろうと思ったのです。カフェを併設した理由の一つには、子育てや精神的なプレッシャーなどで美容師としてフルタイムで働くことが難しくなった従業員が働ける場所を作りたかったというのもあります」







IMG_1787

ame


044A9809

Anniversary café



「クリエイション=地域で一番の繁盛店」を証明したい



40歳という節目の年を迎えた今、将来に向けたネクスト・ヴィジョンを次のように語る。

「自分が日本一になった時、次は日本一を育てる側にならないとアカンなって思ったのです。先にも言ったように、僕にとって コンテストもクリエイションもひとつの手段に過ぎません。今後はコンテストに出るつもりはありませんが、ハサミを持ってい る以上、クリエイションはやり続けていきたいと思っています。今、多く のお客さんに支持し続けていただけているのは、ク リエイションを追求してきた経験があってこそ。しかし、業界的に見て、必ずしもクリエイションと繁盛店が=(イコール)で結 ばれてはいませんよね。だったら自分が地域でダントツに売上の高い店、一番給料の高い店を作ってみせるしかないと思ってい るのです」

同社には、18~30歳までのスタッフが従事している。

「彼らは人生の中で一番輝いている時期に、ここで頑張って働いてくれています。だから、いらなくなったら切り捨てるような ことはしたくない。独立しようが、何をしようが一生応援していきたいし、成功してもらいたいのです」

今年から美容サロン検索サービスへの掲載も始めた。

「安売りをするつもりはないですが、従業員にお客さんをつける手段があれば、なんでもしたる!と思っています。とりあえず結果を出し、そこから洗練していれば本物になっていく。そういう店を作るのが40歳からのテーマです」




gamonews

GAMO NEWS(Vol.65)のカバー



d.c.t

Profile/松木 宏紀
1976年生まれ。大阪のサロン1店舗を経て2002年、25歳の時に『D.C.T.』をオープン。2013年、2店舗目となる『ame』『Anniversary café』を同時オープン。サロンワークの傍ら、セミナー・撮影など多岐に渡って活躍中。JHA 2009・2010・2011/中部エリア ノミネート、2013/NEW COMER OF THE YEAR ノミネート、2014・2015ノミネート。THA 2013/ デザイナーズ賞〈八木岡聡〉。WELLA TREND VISION award 2013/ ゴールドアワード受賞〈カラーアワード〉、ワールドファイナル出場〈カラーアワード〉、2014/シルバーアワード受賞〈カラーアワード〉、2015/ゴールドアワードなど受賞歴多数。



D.C.T. HAIR PRODUCE
三重県いなべ市大安町大井田1347-6
TEL:0594-77-3100
http://www.hp-dct.com