Nov.30.2017

VISIONARY

NUMBER_20 茂木 正行氏 / boy

芸術とビジネスの融合を目指して、職人であり、芸術家であり、そして教師であり、生徒であるかのような生き方。21世紀に何かを残したいのです。世界中が注目するようなものを…。
芸術的、独創的な感性でデザインを創り続ける『boy』茂木正行氏に聞いた。



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茂木 正行 Masayuki Mogi
boy Creative Director





ディスコネクション『HAZUSHI』はこうして生まれた



美容業界で知らない人はいない、ディスコネクション『HAZUSHI』。茂木氏がヴィダル・サスーンで習得した世界トップのカット理論と技術に、その後の経験と見聞を広めて磨き上げた感性を掛け合わせたboy独自のカットテクニックだ。モードが主流だったファッション・カルチャー界に「原宿系」と呼ばれるムーブメントを引き起こす礎を築いた。それは人生のパートナーで もある星名陽子氏の一言からインスピレーションを得て生まれた。

「難民はかっこいいのよ、茂木ちゃん! アフリカの原住民のようなヘアスタイルなど、みんながくだらないとして排除しがちなものの中に、よーく見ると、『あーかっこいい!』があるのよ」。

確かなテクニックを持った美容師が、お母さんに切ってもらった難民の子どものヘアスタイルの中にかっこよさを見つける。そして、素人が切ったような仕上がり。

「ちゃんとした仕上がりのヘアカットはどうしても重いと感じていた。だから髪の毛の質感を変えるために切り方を変えたのです。作りすぎない感じのヘアの仕事、いつも心にあります。そして、このカットには美容師さんが難民問題を意識するという意味合いも含まれています」。

時に世界情勢までも魅力的に取り上げる。世界64カ国でデモンストレーションを行い、ワールドワイドに活躍してきた茂木氏らしい考えだ。現在『boy』は東京を拠点にタイ・バンコクでも2店舗を展開している。美容師の国家資格のないタイで、茂木氏自らコーチングし、一流の技術・感性を持った美容師を育てることも大きなミッションとしている。




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boy LIVE@YEBISU The Gardn Hall/1999


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boy Rikyu Bangkok Tailand/2015




美容という枠にとらわれず、人として成長していく場所



「美容師になってはいけません。boyとは、一日一日変化して、進歩してゆくことを実感していく場所です。〜美容という枠にとらわれず、人としてカッコイイ人間になるために〜」。

これは、boyの社訓である。わかりやすく茂木氏は語る。

「うちの会社では昔から『食事をするような美容をやれ!』と叩き込まれているのです。食事って食べて美味しいとか、美味しくないとかあるでしょ。なぜ美味しくないのだろう?では、こうしたら美味しくなるのかもしれない。この3つの思考でヘアカットのことも毎日、いつも考えるの。美容師をやる目的がお金儲けという考えもいいんだけど、boyは自分自身をいつも見て、自分はちゃんとしたことをしているかな?自分はこういう風なことを直した方がいいのかな?とか検証しながら自分自身を成長させていくために美容を使う。どんな美容師が何をするかより、どんな人間としてどう楽しくやれるのか。いつも楽しく生きている自分が何かをしたら人にも役立つかなと思っている。それがboyのコンセプトです」



料理、旅、美術etc…様々な経験が美容のベースになる



上質な美容が新しい美容ならば、美容師自身が新しく上質になるため研ぎすまされた技術、たくさんの教養とユーモアが必要となる。その考えから10年前に始められたのがboyの部活動だ。料理部、美術部、旅部、映像部、音楽部、書籍部、インテリア部 8つの部があり、各部2~3名のスタッフが担当。お客様を交えて活動している。

代官山の『boy Attic』では、店内で様々なジャンルのクリエイターとコラボレーションイベントや展示なども企画 。また、それら多彩な活動は、スタッフが編集するフリーマガジン『PAPERS/boy』で定期的に発信をしている。

「僕たちは美容を楽しむのです。色々なことが美容のベースになる。皆で意見や情報を交換をしながら、新しい美的感覚や価 値観をお客様と共有し、刺激し合えるような場所を目指しています」

『HAZUSHI』の他にも、世界で唯一無二のカットスタイルをいくつも生み出してきたboy。彼らが日々考え、行っていることを聞き、その理由がわかった気がする。

「新しいヘアスタイルには 、新しいカットの仕方をクリエイトしなければできるわけがない。でも、そういうことを美容師さんは考えないの、ただ形でいこうとするの。アイデアにたどり着くには、新しいことをやりたいな、違うことをやりたいなと超 考える。考えている時に色々な経験が影響してくるのかなって思う。だからって、一つのことからポーンとアイデアが出てく ることはないみたい。ヘアは人の体の一部。作りたいから作っていいというのはないのです。出来れば色々な人に受け入れて もらいたい。だから一生懸命考える」

1983年のオープン以来、変化を続けてきたboy。2018年春には、都内に新店舗『boy TOKYO』のオープンも控えており、期待が高まる。

「今、美容院はただ髪の毛を切っているだけの時代ではないとboyの社長である、息子のdaiさんが教えてくれたのです。新店舗は、英語レッスンや幼児教室など様々な新しいコトを、スタッフもお客様もお友達も経験できるような場になります。皆さ ん、遊びに来てください!」




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boy TOKYO/2018


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フリーマガジン「PAPERS/boy」







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Profile/茂木 正行
ヴィダル・サスーン・アートディレクターとしてロンドンをベースに世界中60カ国以上でデモンストレーションを開催し、帰国後「boy(ボーイ)』設立。のち、渡仏(パリ)。ヘアメイクとして、星名陽子氏と共にヘアショー並びに画家、舞踏家、写真家、音楽家、詩人らと創作活動を展開。ディスコネクション「HAZUSHI」のテクニックを発表して、サロンワークを展開しながら現在に至る。2010年夏、タイの首都バンコクにサロン「boy Rikyu」オープン。2011年11月、代官山にスタジオを改築したサロン「boy Attic」オープン。2012 年、タイの首都バンコクに2店舗目のサロン「BOY」オープン。新しい練習法「MDS」を発見して新たな美容の可能性を発表中。2018年1月11日、原宿に新店舗をオープン予定。



boy Camera
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TEL:03-5786-0045
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