NUMBER_21 川島 悦実氏 / HairMake UR

VISIONARYMar.19.2018

東京、原宿・青山・渋谷・銀座と名古屋に系列店を含め6店舗を展開する『HairMake UR』。数年前から、代表・川島 悦実氏の肉体改造にお気づきの方も多いはず。美容を愛し、美容に愛された男は、筋肉を愛し、筋肉に愛される男になっていた!そして、その愛はお客様へ。業界をざわつかせている「筋トレ美容室」を訪ねた。

 

川島 悦実 Etsumi Kawashima
HairMake UR代表

 

痩せると似合うスタイルが増える! 業界初の筋トレ美容室

表参道で一際、異彩を放つファサードが目印の『UR CASTLE』。扉を開けるとシャンデリアと真っ赤なジム器具がお出迎え。もの凄い違和感である。川島氏は、週4の出勤日、営業前後の2時間で1日8名の顧客を上限にパーソナルトレーニングを行なっている。予約は常に満杯だ。実は川島氏、4年前まで体重90キロ、体脂肪率は39%もあり、とうとう医師から「痩せないと死ぬよ」と宣告を受けた。危機感を感じ、ジムに通い始めると筋トレが楽しくなってしまい、なんと2ヶ月で20キロ、体脂肪率7.5%の減量に成功。当然、お客様から「どうやって痩せたの?」と聞かれる。「知りたいの?じゃ、雑誌はいらないね」とその手にダンベルを持たせ、カラー・パーマの放置中にスクワットを教えたことが始まりだ。

ダイエットではなく「ヘアメイクをするようにボディメイクする」というのが川島氏の考え。笑いあり、容赦なしのスパルタ指導だが、効果的な筋トレで基礎代謝を上げ、食事制限なしで1ヶ月も経たないうちに殆どのお客様が激変していく。「長年、美容師をやっているのは『可愛くなってよかった!』と喜ぶ、お客様の笑顔を見たいから。でも、痩せて自分に自信をつけた時の笑顔はもっとヤバいです!」

髪質、骨格、輪郭を見極めた「彫刻カット」を得意とする川島氏は気がついてしまった。痩せて肉付きが変わると似合うスタイルがどんどん増えていく。そして、性格まで明るくなり、髪型も「もっと攻めたい!」と意欲的に。ヘア+ボディメイクで人生を輝かせることができると。最近では、筋肉の動きと連動するヘアスタイルで、筋トレ業界にモードな新風を吹かせよう!と“美尻の伝道師”として今話題のパーソナルトレーナー、岡部友さんとコラボしたアートワークも実現。男に媚びない美しさ、新たな価値、新たな女性像を発信しようとしている。

岡部友さんとコラボしたアートワーク

 

URは問う。作品撮りのその先には何があるのか?

また、近年、映画や広告の第一線に立ち、破竹の勢いでアートワークを手がける『HairMake UR Artist Team』の活躍にも眼を見張るものがある。昨年は、犬(KEN)氏を中心に制作された恵比寿三越の広告が街を席巻。髪の毛で創った花とハイヒールを頭に載せるという斬新な発想に度肝を抜かれた。他にも計500本のレッドブル・エナジードリンク缶を使って独創的なコスチュームを制作し、日本初となるレッドブル公認アーティストに選出されるなど話題は尽きない。

 

恵比寿三越 広告ヴィジュアル

 

「サロンワークを頑張って、お客様に支持されて、作品撮りは創りたいものを創っていこうでやってきました。でも、髪の毛で創れないものは無いとなった時、作品撮りのその先は…って」美容師がいくら腕を磨いて作品撮りをしていても、商品(仕事)に結びついていかないことにジレンマを感じた。業界誌に取り上げられ、コンテストで入賞することも名誉だが、評価されることばかりを目指していると何も見えてこない。もっと、もっと楽しい、その先があるのではないか。そう考えていた時、縁あって大手百貨店などをクライアントに持つ広告制作会社の社長室長に就任。まずは、自分たちで仕事を生み出すポジションを手に入れた。まだスタートライン。「池の鯉みたいに口を開けて待っていないで、滝登りの勢いでいかないと!」。作品撮りのその先は…をURが創っていけたらと川島氏は言う。

 

ものを創る前に、人との関係性を創ることが大切

川島氏は、撮影でディレクションをするスタッフに「ものを創る前に、人との関係性を創れ」と伝えている。川島氏は、誰よりも先に現場に入る。そして、とにかく笑わせ、モデルを一番いい表情でメイクルームから送り出す。撮影現場は盛り上がり、最高の作品が生まれていくのだという。

猪突猛進。いつも枠から外れ、一見、突拍子もないことをやっているように見えて、本質からブレていない。結果、多くの人を幸せにしている。それは、川島氏が美容師を志した時から変わらない「美容への情熱」と、泥臭いと感じてしまうほど義理人情に厚い彼の「人間力」が屋台骨としてしっかりあるからだろう。

「美容は僕にとって最高の遊びなんです。仕事は妥協するけど、遊びは妥協しない。筋トレも僕にとっての最高の遊び。それが美容とくっついちゃった感じ。だからお客様が遊びに来てくれるんだと思う」業界から「URはまた何やりだしたの?」って見られ方をされていたとしても、いくしかないので、やってみてから考えよう! がスタンス。「タイタニックも沈没したでしょ。うちは最初から泥船で底には小さな穴が空いている。それを手で塞ぎながら必死に漕でいるんです。ゴキブリのように逞しく生きているから踏まれても大丈夫!それはこの先、どんなに大きくなっても変わりません」。冗談交じりに、本気を語る目が印象に残った。

 

UR CASTLE

 

 

プロフィール
川島 悦実

HairMake UR代表。新潟県出身。世界的不況と言われるこの時代のなか、独自の美容道を楽しみながら突き進む!商売ではなく「笑売」を営む彼を人は「ハッピーマニア」と呼ぶ。24歳にしてURを設立し、東京、原宿・青山・渋谷・銀座と名古屋に系列店を含め6店舗のサロンを展開中! フランスの『トリビュート』2008年版に日本人単独では初の掲載。以来、パリではアーティストとして活躍中。挙句の果てにあの世界のアイドル・ハローキティーの専属美容師として、ハローキティーのヘアメイクをプロデュースするなどのアト ワークを日々繰り広げている。もはや彼を誰にもとめることはできない!(笑)

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