NUMBER32 天野 成弥氏_EILANT

VISIONARYNov.27.2020

今年4月、代官山にオープンしたヘアサロン『EILANT』。
高い技術、高いデザイン性を提供しながら、今までの美容室の固定概念を外した 独自の世界観を展開し、ブランドとしての価値を生み出すことに取り組んでいる。
オーナーの天野 成弥氏にクローズアップし、今後のビジョンを伺った。


EILANT オーナー
天野 成弥


自分の「好き」は何か。海外経験やサロンワークで見つけた答え

天野氏は2008年、関西のサロンに入社。スタイリストに昇格が決まったタイミングでロンドン留学を申し出た。何も伝手はなかったが「顧客がついてからでは迷惑になる、行くなら今だ」と考える前に行動を起こしたのだという。

「ヴィダルサスーンに日本人の美容師がいたので最初はお客として髪を切りに行って、『ここで働かせてほしい』と嘆願。そこから1年半働かせてもらいました。やはり感覚が変わりましたね。皆、好きなことをやっているし、日本の美容師とは発想力が違うと感じました」

帰国後はサロンに戻り、とにかくがむしゃらに美容師の仕事と向き合いながら、個人では作品撮りを行い、自分の「好き」は何なのかを模索した。やがて「好き」は明確になったが、次第に自分がやりたいこととサロンワークにギャップが生じていったと話す。

「コンサバ系を得意とするサロンだったのでテイストが全く違ったのです。10年以上勤め、色々なことを経験させてもらったのですが、新たな目標、夢を持ちたいと退社しました」

妻のKURUMIさんと共に独立し、今年4月に『EILANT』をオープン。しかし、ほぼ同時に新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が発令。厳しい船出となった。

「お客様がゼロの日もありましたが、全く動じなかったですね。結構、ポジティブなんですよ。これも運命、いかに楽しくやるか。ここをスタートにどこまで上がれるか、ストーリーとしては面白いし、逆にチャンスだとも思いました。スタッフとの距離感を縮めたり、お客様をきちんと迎い入れるためのロールプレイングや撮影も行いました。そういう時間が取れたことは今思うと良かったなと思います」

Creation work


Creation work


Creation work


ブランディングを強く意識し、サロン空間、SNSでも世界観を統一

サロンがあるのは蔦の生えた趣ある建物の3階。白を基調とし、必要最低限の家具が配されたシンプルで洗練されたサロン空間。その中で黒のユニフォームを纏ったデザイナーたちが髪を切る姿は、現代美術のインスターレーションでも見ているようだ。また店内ではKURUMIさんデザインのシルバージュエリーやバイイングした服も取り扱っている。

「髪を切らない日にもシルバーや服を試着しにふらっと遊びに来てほしいのです。美容室なんだけど、よくあるような美容室にはしたくなくて、どちらかというとファッションブランドのイメージですね。シンプルな中にもデザイン性があり、モードを感じさせるような世界観を大切にしています。今はブランドとしての理念やコンセプトを明確に伝えることが大切。ホームページやInstagramで発信するものはスタッフとミーティングをして精査し、作品撮りやムービーの撮影・編集も全て自分たちで行なっています。プロジェクトとして、アパレルはここで形にしてからブランドを独立させ、ECを中心に本格的に展開したいと考えています」

半年経った現在、お客様の90%は新規。年齢層は幅広く、アパレル関係や服飾専門学校生など感度の高い自分のスタイルにこだわりを持つ女性が多いという。来店動機は紹介が10%、Instagramが90%という結果を見てもブランディングが成功していると考えていいだろう。 



Jewelry

Salon

 

常に新しいことにチャレンジし、美容師の価値を高めていきたい

 実は現在のスタッフも天野氏とKURUMIさんのフォロワーだったという。

「僕たちの好きなものをカッコいいと思っていてくれているので意識統一がしやすいですね。嬉しいことに来年度の新卒採用でもDMを多くもらっています。スタッフには世界観や方向性は共有しつつ、今後はそれぞれが独自のオリジナリティーを出していってほしいと思っています」

天野氏は昨年、初めて応募したフォトコンテストでJHA 2019 RISING STAR OF THE YEAR 東京エリアにノミネートされた実績を持つが、スタッフにもクリエイションを推奨している。  「クリエイションってサロンワークとは違う頭が働くからとても大切だと思うのです」

サロン内でコンテストを実施。来年はスタッフにも外部のフォトコンテストに挑戦させたいと考えている。また、サロンワークにおいてもアシスタントにヘアアレンジを任せるなど活躍のチャンスを与え、モチベーションを高めている。

「ここにいる以上は色々なことを体験してもらいたいし、皆んなでワクワク過ごせたらと思っています。チームとしてやっていくために自分は道を作っているだけ。皆で新しいことにチャレンジし、今の美容業界を面白く変えていきたい。サロンが溢れ過ぎている中で個性が失われ、それが美容師の価値を下げていると考えます。EILANTは高い技術と高単価のメニューを提供し、価格競争には参加しません。しっかりブランディングをすれば価値を生んでいけると思います」


Staff

プロフィール
天野 成弥
2011年に渡英、帰国後都内のサロンを経て2020年4月に代官山で『EILANT』をスタート。JHA 2019 RISING STAR OF THE YEAR 東京エリアノミネート。

EILANT
〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西2-14-10 TWONE代官山3F 
TEL:03-5422-3377 
https://www.eilant.jp/
Instagram:Official(@_eilant_)  salon customer(@eilantcustomer)

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