ガモウニュースVol.105 表紙撮影の舞台裏 木下 大輔氏 (amanda)

Making Cover LookJul.26.2022

GAMO NEWSのテーマは『Summer scent(夏の香り)』。
今回、カバー&ヴィジュアルを手がけていただいたのは、
2022年の三都杯でグランプリを受賞された『amanda』のオーナー、木下 大輔氏。
小説の一場面のような文学の薫り漂う作品。皆さんは、どんな香りを思い出しますか?

木下がイメージする「Summer scent」とは
テーマからどのようにイメージをされましたか

「夏の香り」というテーマから最初に思い浮かんだのは、夏の終わりに感じる哀愁でした。そこからさらにイメージしたのは子どもの頃の記憶。オーバーサイズの服を纏わせることで、今は大人だけど記憶は子どもの頃という不思議な感覚を表現しています。また、皆さんの手元に配られた時に「誰が作っているのだろう?」と気になっていただける作品にしたいと思い、写真として見せながら、ヘアもしっかり作ることを意識しました。その中で “夏の要素”をどう面白く見せるかは考えたところです。ショートヘアのモデルは根元と中間に水色っぽいカラーを入れ、透明なラムネの瓶をイメージ。顎にはメイクで水風船のような模様を描きました。もう一人のモデルは、もみあげのポイントカラーを金魚に見立て、金魚鉢をイメージ。こちらも目元に水風船の模様を描いています。ロケーションは兵庫の元銭湯を舞台に、デジタルとフィルムの両方で撮影をしました。仕上がりを見て、子どもの頃の記憶や哀愁をより感じることができたフィルムから、全てセレクトしました。


表紙の作品


中面の作品(右)


中面の作品(左)

学生時代、業界誌を見て憧れた世界
クリエイションワークを始められたのはいつですか?

約10年前です。スタイリストになって1、2年目ぐらいだと思います。両親が美容師だったので、学生時代に業界誌を見る機会が多く、そこに対しての憧れが美容師としてのスタートでした。しかし、入ったサロンが作品撮りをする環境ではなかったので、何から始めたらいいのか分からなかったですね。クリエイションのセミナーなどを受けたりするうちに、次第に繋がりが出来ていって、仲間と一緒に撮影をするようになりました。

「手応え」とは少し違うのですが、自分の中で準備が整い、勝てる時は勝てるようになったと感じることができるようになったのは、ここ2、3年ですね。

お店で「お客さんにやらないことはしない」が作品づくりの信条
作品づくりをする上で大切にされていることはありますか?

僕はヘアメイクではなく美容師なので、「お店でお客さんにやらないことはしない」ということです。
基本的にカット、カラーが可能なモデルを使います。誰かが切った髪をそのままスタイリングするようなことは絶対にしないですね。だって、お客さんにスタイリングだけで帰ってもらうとか、普通ないじゃないですか。

今回のモデルは、もともと僕が切っている子なんですけど、信頼関係を築いた上で撮影に協力していただくことを大事にしています。

信頼おけるメンバーだと微妙なニュアンスが伝わりやすい
今回の撮影チームについて教えてください。

今回、スタイリストさんは初めてなのですが、カメラマンはいつも撮影をお願いしている方です。互いの微妙な言葉のニュアンスが伝わりやすいですし、僕も遠慮せずにやってほしいことを言えるのでコミュニケーションがスムーズですね。

三都杯グランプリ受賞の喜びに甘んじず、頑張っていきたい
2022年 三都杯で見事、グランプリを受賞されましたが、何か変化はありましたか?

グランプリを受賞していなかったら今回の企画もなかったと思いますし、急に立ち位置が変わったというか、ステージが少し変わったという感じはあります。

でも、もっとホッとできるのかなと思っていましたが、その逆でしたね。

三都杯を獲っても、ある日突然、僕が上手くなったりするわけじゃない。今立っているステージの中で、自分はまだまだ下っ端。もっと活躍をしていくために、これから頑張っていかなければと身が引き締まる思いです。

華やかに見える人ほど影で努力をしている
最後に若い美容師さんにメッセージをお願いします。

今、美容師さんといっても、色々やらないといけないことが多いし、方向性も様々。多様化してきているなと感じています。
僕はクリエイションをやってきたから、やった方がいいと言えるのですが、何もしないよりはやった方がいいと思います。

「働き方改革」と言われている時代なので、美容室もその方向に合わせている感じがあります。周りの話を聞くと、夜のレッスンはナシ、労働時間も短くなり、賃金は増えている。でも、そこには限界があると思うんです。今のままだったら、美容師がどんどん下手になるということをもう少し自覚した方がいい。覚えることが多いのに、そこに向かう時間が少ないということです。でも、めちゃくちゃ努力している人もいるから、そこで差が開いていくでしょうね。

それと、SNSなど華やかなものに目がいく時代ですが、あまり上辺に流されない方がいいなと思います。簡単に成功できると思わないように。環境のせいにせず、自分がどうなりたいか、どうするべきかを考えてください。

COVER LOOK BY
amanda_DAISUKE KINOSHITA

HAIR&MAKE-UP: Daisuke Kinoshita (amanda)
PHOTO: Itsurou Nagano
STYLING:Noriyuki Irie /Nozomi Yamashita
COSTUME: noris

木下大輔氏
大阪府出身。2017年、大阪の堺に『amanda』をオープン。2022年 三都杯グランプリをはじめ、AREA CIRCUIT、KHA、多数のコンテストで授賞経験あり。お客様への似合わせと時代感を掛け合わせたスタイルに定評あり。各ジャーナルにも取り上げられ、関西最注目のクリエイター。
https://amanda-sakai.com 

 

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