ヴァイオリニスト 寺下 真理子さん

Professional InterviewMay.18.2018

INTERVIEW WITH MARIKO TERASHITA

国を飛び超え、喜びと感動を伝えていきたい。

豊かな情感を込めた歌心と美しい音色 で聴衆を魅了する実力派ヴァイオリニスト、寺下真理子さん。クラシッ クの超技巧からミュージカル 、映画音楽、自作のオリジナル曲まで 幅広いジャンルの名曲を集めた、 2015 年 リリースのデビューアルバム『Ave  Maria』は 、高音質ハイレゾ音源配信サイトにて全ジャンルの中から週間1位を獲得。以来、国内のみならず韓国 、台湾でも評価が高く、熱烈なファンが急増しているクラシック界の 新星だ 。

身体の内と外からケアを心がけ

艶やかな黒髪のロングヘアが印象的。美しい旋律を奏でる、華のある立ち姿も神様が与えた才能のひとつであろう。

「観ていただくからには美しい方が良いと思うので、演奏会の前には必ず美容院でセットをしてもらいます 。ヘアケアにもこだわりがありますし、ヘッドスパや酵素風呂に通ってメンテナンスをしています」

優雅に見えるヴァイオリン演奏だが、実は体力と集中力が勝負なのだと言う。

「集中して演奏していると 2 時 間で 2 kg も痩せてしまうことがあります。だから、結構、食べるんです(笑)。練習以外の時間はずっと料理をしていて、可能な限り一日三食を自炊しています。なるべく加工品は取らず、食材や調味料はオーガニックなど良質なものを厳選。豆乳、甘酒、ヨーグルトも手作りです 。良いものを食べ ていると肌ツヤも良くなり、精神も研ぎ澄まされる感じがするんです 」

また、良い音を出すためには、しなやかなインナーマッスルも必要不可欠 。ヨガやジムに通い、体幹トレーニングや呼吸法を実践している 。「5 年、10 年後のために、内外からのケアを積み重ねています」。

料理は素材にこだわって毎日作っています

壮絶なレッスンを乗り越えて今

5歳の誕生日に祖父母からヴァイオリンをプレゼントされたことが、芸術の道を目指す第一歩だった。地元、和歌山で師事したのは、プロフェッショナルを育成する厳しい先生 。彼女の才能に気づいた師は、小学校3年 生の時 、プロフェッショナルを目指すか否かの決断を迫ったと言う。

「練習はとても辛かったのですが、音楽も好きでしたし 、憧れのヴァイオリニスト、五嶋みどりさんのように私もなりたい! その一心で決意しました」

さらなる壮絶なッスンが待ち受けていた 。学生のときは、体育祭や修学旅行などへはなかなか行けなかったようだ。ストレスから倒れてしまうこともあったという。

「ヴァイオリンを弾いていて楽しいと思ったことはなかったですね。むしろ今 、やっと自分の思い 通りに弾 けるようになってきたので楽しくなりました 。でも、あの頃の苦労があったから、少しのことで意思は揺るがないし、夢も諦めずにいられる。未だにもっと上 に 行きたいと思っているし、一 歩ずつその夢に近づいている感じはしています」

アグネスホテルで行われたランチコンサート

台湾コンサートの様子

圧倒的だと思わせる演奏家になりたい

「クラシックは敷居が高い」と思っている人も多いと思うが、寺下さんはクラシックの愉しみ方をわかりやすく教えてくれた。

「 私はフィギュアスケートを観るのが好きです。技術と芸術的要素が必要なところが私達と似ているなと思っていて。例えば、フィギュアの知識がなくても、感 動させられる演技ってありますよね。クラシックも同じで、感動する演奏をされる方がが いるんです 。五嶋みどりさんがその内の一人だと思うのですが、集中力が人 間離れしていて憑依的な演奏をされる。 鳥肌が立つような瞬間って取り繕ってで きるものではないと思うのです。生まれ 持った才能や感性もあるけど、過酷な訓 練をしてきて、究極の緊張の中でステー ジに立ち、自分の弱さと戦って勝たないとできない表現。私もそういう領域に入 っていける演奏家になりたいと思っています。 皆さんも一度 、コンサートホールで生の演奏に触れていただき、ご自身の感性で「いいな!」と感じるものがあれば、クラシックが身近になると思います」

最後に、寺下さんが描く夢を聞いた。

「サントリーホールに立ち、オーケストラとコンチェルトを演奏することです。簡単ではないけれど、ソリストとして辿り着けるように努力して夢を叶えたい。そしてもう一つ、音楽は 国 境を飛び越えていける力があります。その力の一つとなり、人と人を繋げ、喜びと感動を伝えていきたいと思っています 」


Profile/寺下 真理子(ヴァイオリニスト)

東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校、同大学卒業 。第 1 回 五嶋みどりレクチャーコンサートに出演。第50回全日本学生音楽コンクール中学生の部大阪大会第2位受賞。 第2回宮崎国際音楽祭にて、故アイザック・スターン氏の公開レッスンを受講。五嶋みどり デビュー20周年記念コンサートにて共演。第2回東京音楽コンクール弦楽器部門第2位 受 賞 。2014 年 、「 大桑文化奨励賞」、2017年 、「 平成29年度和歌山市文化奨励賞」を 受賞。これまでに東京フィルハーモニー交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、関西フィ ルハーモニー管弦楽団 、仙台フィルハーモニー管弦楽団 、日本センチュリー交響楽団、九州交響楽団他と共演。キングレコードより「Ave Maria」、「Romance」をリリース。 ハイレゾ配信サイトや韓国でのクラッシックランキングで1位を獲得。海外公演を行うなど、 日本のみならず世界にも注目されている。現在はコンサートのみならず、TV・ラジオなどにも積極的に活動中。

公式ホームページ
http://mariko-terashita.com
Instagram @marikoviolinist

2nd  Album 『ROMANCE』(KING RECORDS)

さまざまな愛のかたちを雄弁に語る楽曲 、そして寺下本人が恋に落ちた楽曲を集めて収録。

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