ガモウニュースNo.108 表紙撮影の舞台裏 大川 雅之氏(TAYA)

Making Cover LookMar.20.2023

2023年、最初のGAMO NEWSのテーマは『Think creatively』。
カバー&ヴィジュアルを手がけていただいたのは、
TAYA CREATIVEチームを率いるチーフディレクターであり、
『GRAND TAYA GINZA』のトップデザイナーを務める大川 雅之氏です。
撮影を担当した照屋 寛倖氏(in chelsea)との化学反応をお楽しみください!


大川氏がイメージする『Think creatively』とは?
—テーマからどのようなイメージをされましたか?

テーマの概要に「既成概念に捉われない」というワードが書かれていたのですが、今回は僕の好きな言葉である「Hair is free(髪は自由)」を意識しました。

 そして、2023年は卯年ですが、ジャンプをして飛躍する一方、飛んだら必ず降りるということで、波がある一年に。疲れやすく、精神的にも癒しを求める時なので、今年のカラーは「グリーン」なのだそうです。それを聞いた時に、キーワードとしてグリーンを入れたいと思いました。衣装にも入っていますが、髪にもグリーンやピンクでムラっぽく染めたエクステンションを使って色を入れるなど、トータルで雰囲気を出せたら面白いかなと。時代的にモノトーンでカッコいい感じよりも、見た人がHAPPYになるような、色みや雰囲気で見せた表紙です。

また、衣装を見た時にふわーっとした感じが「金魚」みたいだなと思いました。『情熱大陸』で特集されたこともあるダンサーさんにモデルをお願いしたので、金魚のように動きをつけた方が彼女にも合うと思い、躍動感のあるヴィジュアルにもなりました。

表紙の作品

中面の作品(右)

中面の作品(左)


ーカットとメイクのポイントを教えてください。

カットは前日に行いました。センターパーツで長さもあったのですが、今回は髪を動かした時に似合うよう、前髪をパツっと、顔まわりにレイヤーも入れて短めに切らせてもらいました。メイクはお肌がキレイなモデルさんなので、ベースはナチュラルに。リップはあえて赤を塗り、アイシャドーには水の中にいる金魚をイメージして、リップ用のグロスでツヤツヤにしたのがポイントです。


照屋氏との化学反応から新しい作品が生まれた
ーカメラが照屋氏と聞いて、最初は意外な組み合わせだなと思いました。

カメラマンに照屋氏を選んだのは、僕の勝手なイメージで、いい意味で自由に撮ってくれるのではないかと思ったのです。カチッとしたライティングではなく、雰囲気を上手く作ってくれるのではないかと。面識がなかったのでインスタグラムのDMでお願いしました。そうしたら、僕の昔作った作品も見てくれていたようで、「レジェンドの撮影は出来ません。僕は美容師ですし」と言われてしまったのですが、僕は彼が今の時代の風をつかんでいるからJHAでもグランプリを獲れたと思っているので「照屋さんの風を感じたいんです」と伝えたら、受けていただくことができました。

今日は名古屋から来ていただいたのですが、お会いするのは初めて。僕は美容師さんに撮ってもらうことも初めての経験でしたが、照屋さんは撮りながら「こうするのもありじゃないですか?」とか髪のことも言ってくれて「あ、本当だ」と思うような発見がたくさんありました。終わって「いい意味でホッとした」と照屋さんも言われていましたが、自分の中でとても新鮮でしたし、今まで作ったことのない作品が完成したので面白かったです。


改めてクリエイションはやらなくてはダメだと思った
ー大川さんがクリエイティブ作品を撮るようになったのはいつからですか?

20代後半からです。30〜35歳までの5年間で美容業界誌の表紙を27冊やらせていただき、2010年のJHAにファイナリストにノミネートされました。しかし、そこからサロンワークと会社の経営に入ってしまったので、一冊もやってこなかったのです。今回、改めてクリエイションをやらなくてはダメだなと思いました。照屋さんと話して感じたことですが、僕がやっていた時と今では、作品の傾向など色々なことが変わっている。分かってはいたことだけど実際に撮ってみないと分からないこともあったので、今回、本当にこの撮影ができて良かったと思います。

ーインスピレーションの源は何ですか?

あまり意識したことはないですね。でも、漫画やアニメが好きなので、例えば水色の髪とか「実際にはあり得ないよな」とか思いつつも、やってみたら面白いかもと思うことはあります。あと、歴史の本が好きな蒲生会長から、本をいただく機会も多いのですが、僕も歴史が大好きです。昔の髪型の要素を今取り入れてみたらどうだろうとか考えるのも楽しいですね。見る視点を変えてみると面白いことはいっぱいあります。

TAYA CREATIVEチームの存在意義とは
ーTAYAにはCREATIVEチームがありますが出来たのはいつですか? また、その必要性をどのように考えていますか?

入社した26年前は、ARTISTICチームというのがあったのです。僕が29歳の時に、創業者の田谷 哲哉から「これからはMASAがトップとしてやりなさい」と任され、その時にCREATIVEチームと名称を変えました。今、都心の店舗に在籍する、ほとんどのスタッフがチームに入ることを希望して入社してきています。

また、田谷が常に言っていた「TAYAは技術者集団だ」という言葉の通り、サロンワークをとても大事にしていて、比重も多く置いています。日々のサロンワークと突き詰めていくクリエイションは違うと言われることもありますが、=(イコール)で繋がっていると考えています。クリエイションは、アイデンティティというか、自分の心の中に火をつけてやっていく部分があって、コンテストで賞を獲ったからどうということではないかもしれないけれど、クリエイションをやることによって、美容師として、お客様への提案やデザインの幅は広がるし、似合わせる力も強くなり、お客様の要望を汲み取る力も必ず強くなると思います。

そして毎年、「TAYA NEW MODE」(サロンヴィジュアル)を20年以上出しているのですが、それだけ続けて出しているサロンは他にないと思います。そう思うと、発信し続けていかなければならないという使命感はありますね。

2023 TAYA NEW MODE


これから美容師にとってさらにいい時代が来る!
ー最後に若い美容師さんにメッセージをお願いします!

これから美容師にとってさらにいい時代が来ると僕は思っているのです。なぜかというと、今は少子化で美容師のなり手も減ってきていると言われていますが、頑張って10年後まで生き残った時には必然的にライバルが少なくなっている。その上、長寿社会になるので自分より年上のお客様はいっぱいいるわけです。

今、同期がやめたとか、そういうことに振舞わされず、自分が将来どうなっていたいか、きちんとイメージを持って頑張れば、絶対にいい時代が来るはず。そこだけは信じて頑張って欲しいです。



COVER LOOK BY
TAYA _ Masayuki Okawa

HAIR&MAKE UP:Masayuki Okawa (TAYA)
ASSISTANT:Kiyoshi Horikiri (TAYA)、Hiroumi Tanaka (TAYA)
PHOTO:Hiroyuki Teruya (in chelsea)
MODEL:Saya Shinohara




大川 雅之氏
1974年生まれ。中央理容専門学校、国際理容美容専門学校出身。1998年入社。TAYA CREATIVEチーム チーフディレクター。『GRAND TAYA GINZA』トップデザイナー。売上、人気ともにTAYAを代表するクリエイター。座名の銘は「Don’t think feel..」。

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