NUMBER_24 長船誠氏/COLETTE

VISIONARYSep.21.2018

大阪市西淀川区の御幣島エリアにある『COLETTE』。
昨年11月にリニューアルオープンしたスタイリッシュな店舗には、遠方からインテリア、カルチャー好きのゲストや美容学生が訪れるほど注目を集めている。代表の長船誠氏が目指すサロンとは。

「素敵な違和感」をコンセプトにリニューアルオープン

長船氏は、大阪の大手サロン１店舗を経て独立。2013年に『COLETTE』をオープンした。開業の地に選んだのは、大阪の中心部から少し外れた西淀川区の御幣島エリア。
「若いファミリー層が移り住み、新しい小学校ができるなど、珍しく人口が増えている街なので、可能性を感じました」と長船氏。
地域密着サロンながら、トップクラスの技術と最高のサービス、居心地の良いインテリア空間にこだわり、幅広い層の顧客から支持を得た。わずか数年で予約が取れない人気サロンに成長し、2017年11月には、隣のビルに移転増設リニューアルオープンを果たした。
新しい形となりスタートしたCOLETTEのコンセプトは「素敵な違和感」。
外観はサインポールをリメイクした入り口のアートオブジェが目印。それがなければ、カフェやアパレルショップと見間違うほど、程よいヴィンテージ感が漂うスタイリッシュな店舗になっている。
店舗デザインは、数々の建築デザインのコンテストに入賞し、LINE本社やhotel koeなども手がけている人気建築事務所『SUPPOSE DESIGN OFFICE』によるもの。何度も互いに意見を交わし、理想の空間が完成した。

コーヒー専門店とコラボしたスペシャリティコーヒーも

店内には、長船氏のこだわりが随所に溢れている。壁一面を使った書棚には、あらゆるジャンルの雑誌や漫画、書籍が並ぶ。1966年製のヴィンテージスピーカーやアンプ、プレーヤーなどハイスペックなオーディオが設置され、心地良いボリュームで流れているBGMは全て長船氏がセレクト。店内中央にはカフェスペースがあり、大阪・塚本のコーヒースタンド『THE coffee time』のスペシャリティコーヒーをスタッフが一杯ずつドリップしてサービスしてくれる。また、スパやトリートメントにも厳選した高価格帯の商材を使用し、美容の最先端が体験できるサロンとなっている。
「髪質、ファッション、ライフスタイルに気分、全てを考慮してヘアデザインを提案することはもちろん、インテリアや音楽や香り、コーヒー、セレクトした本など、五感に訴えるようなものを提供して、何度来ても発見、刺激のあるサロンづくりを目指しています。お客様には他のサロンとは違う何かを感じ取っていただき、新しいカルチャーとの出会いや日々の生活に素敵な違和感を感じる、きっかけづくりができたらいいなと思っています」
COLETTEの周辺には、個性ある異業種の店も集まりはじめている。　「ヴィンテージの家具店やオシャレなお和菓子店などができてきて、仲間が増えています。エリア的にもどんどん面白くなっていくんじゃないかな。リニューアルオープンのレセプションではコラボもさせてもらったのですが、今後イベントの企画なども実現できたらと考えています」

美容以外のことにも興味を持って感性を磨いてほしい

素敵な違和感、面白い空間を創り上げるためには、店舗デザインやモノ以上に、そこで働くスタッフの存在が大きく関係してくる。現在、スタッフは長船氏を含め9名。
「入社の志望動機を聞くと、当店のインテリアに惹かれたという人がほぼ100%です。カルチャー好きも多いですね。今のところ新卒のリクルートは困ったことがないです」。さらに言えば、学生にとって魅力的に感じるのは、独自の就労システムや福利厚生にもあるようだ。
「完全週休2日制（1日を半休に2回分けるのも有）など、夜に友達と遊ぶことができたり、アシスタントでもしっかり休暇をとってもらえるメリハリを大切にしたシステムになっています。例えば、旅に出て感性を高めてほしいのと家族との時間も大切にしてほしいという考えから夏季と冬季休暇はそれぞれ7日間。木曜日は早めに受付を終了し、ノーレッスンDayに。社内にアカデミーの個室を設置し、営業中にレッスンをするなど各人で工夫して、最短で帰宅できるようにしています」
また、社員旅行ではベトナムや台湾、奄美大島へ。瀬戸内海の直島に現代アートを鑑賞しに行ったこともあるという。
「旅でもアートでも食でも、本物や一級品と言われているものは、早くから触れた方が絶対にいいので経験させてあげたいと思っています。美容だけではなく、色々なことに興味を持ってオシャレや感性を磨いてほしいし、それによってお客様とも素敵な会話が生まれていくと思います。常に生産性80万以上をキープし、これからも一緒に歴史を作れる仲間とどんどん前へ進み、挑戦し続けていきたいですね」