NUMBER_27 堀江昌樹氏/JENO

VISIONARYMay.21.2019

2016年、THAでグランプリ、準グランプリのW受賞という快挙を成し遂げ、その翌年、新ブランド『JENO』を立ち上げた堀江 昌樹氏。聞こえてきたのは美容室で味噌づくり、利き酒、生演奏!? という何やら楽しそうなウワサ…。堀江氏がクリエイションする「新しい美容室の価値」とは。

JENO代表 堀江 昌樹


新しい美容室の価値を創造し、他業種とアイデアを実現

2017年、apishから社内独立し、東京・表参道の『apish JENO』を新たなブランド『JENO』としてスタートさせた堀江氏。ブランディングをする際に、『apish』と差別化をするため、自身のつながりを広げて「新しい美容室の価値」を創っていくことを目指した。

まず内装は、白を基調としたガラス張りの空間から、ナチュラルな木の風合いを活かし、生活にフィットするような空間に創り変えた。「住宅の内装をしている建築家がお客様にいて、その方が友人と組んでいるユニットに、家をリフォームするような感覚で設計をお願いしました。仕切りとしてあった壁をなくし、一つの広い木の箱のようなイメージのシンプルな空間です」。

次に、美容室の空間の新たな使い方を模索し、他業種とのコラボイベント『+JENO』をスタート。お客様とのつながりから味噌づくりや日本酒のワークショップ、音楽イベントなど営業時間外を利用して定期的に開催している。

「しかし、経験を重ねていく中で、これだとレンタルスペースと変わらないなと思い、営業中のサロンワークの中でコラボレーションをした方がより新しさも生まれるし、面白いんじゃないかという考えに辿りついたのです」

そこで新たに始めたのが、“音の日”。月1回、土曜の営業中にミュージシャンの坂ノ下典正氏が店内スペースで生演奏を行う企画。毎回、演奏を楽しみに予約されるお客様も多いという。その他にも店内をギャラリーのように見立て、唐津焼やスカーフブランドの展示販売を行ったり、コーヒーショップとのコラボレーションで飲み物を提供したりと様々な企画を次々と実現。今後は、花屋『Trèfle』とコラボして花の販売を行う、“花の日”の計画もある。

「今年、ヨガ・インストラクターの経験があるスタッフが入社してきたので、ヨガ教室や呼吸方法をレクチャーするといったことも将来的にできるかなと考えています」


JENOの店内空間


音の日


『+JENO』プロジェクト(日本酒のワークショップ)

髪を切るだけでなく、生活の延長にある+αを提供したい

ただ髪を切るだけではなく、ライフスタイルの延長にある「+α」の部分を少しずつ広げていきたいと堀江氏は語る。

「いまパリでは同じように他業種とコラボレーションをしている美容室がトレンドになってきているので、坂巻も『どんどん新しいことをやりなさい!』とプッシュしてくれています。これで劇的に売り上げが伸びるということはまだありませんが、毎回、来店する度に新しいことをやっているというワクワク感や期待感は、顧客満足度につながっていると思います。生産性を上げることを『時短』と言いますが、2時間近い滞在時間の中でリラックスをしていただきながら、より多くの感動体験や情報を得て、濃密な時間を過ごしていただく。それもお客様にとって、ある意味『時短』になると考えているので、店内で流す音楽、照明、香りひとつにもこだわりセレクトしています」


『+JENO』プロジェクト(味噌づくりのワークショップ)

 

新たなヴィジュアル表現に挑むプロジェクトも始動!

新ブランドの立ち上げから、ヘアデザインのクリエイションにも変化があった。

「シンプルなもの、ナチュラル寄りのデザインを好んで多く創ってきました。THAでグランプリをいただいた時の作品に比べインパクトを残せていないのは反省点としてあるのですが、振り幅の広さは創れたのかなと思っています。その時の趣味嗜好や自分を取り巻く環境がヘアデザインに大きく反映されるということを感じています」

この一年は、写真家とのコラボで生活のワンシーンをイメージさせるようなヴィジュアルを撮影し、定期的に冊子として発行してきた。そして今また新たなヴィジュアル表現として『/JENO』というプロジェクトがスタートしている。

「内装を手がけた建築家のユニットと美容室がコラボをするなら何ができるかなと考え、彼らが創った空間でそこに住む人たちの髪を切るというコンセプトでヴィジュアル撮影をしています。立て鏡を一つ置くとそこが美容室になるということで『/』は立て鏡を意味しています。感じたことを写真に添え、JENOのホームページで随時発表していく予定です。また、これを見て、彼らに内装を依頼したいという美容室があれば、その橋渡しをする内装ビジネスの可能性も視野に入れて考えています」

閃き、アイデアが尽きることのない堀江氏だが、一番大切にしていることは、人と人が顔を合わせて行うコミュニケーションだと言う。

「ワークショップで知り合ったお客様同士が意気投合し、新たなコラボレーションが生まれたりもしています。面白いことをやっていると、人と人はつながっていくのだなということを実感。他業種とのコミュニケーションは、今までとは違う新しい発見や広がりがあります。他のスタッフも他業種とのつながりが増えてきたので、皆で楽しみながら続けていきたいと思っています」


『/JENO』プロジェクト


堀江 昌樹
1981年5月17日生まれ、滋賀出身。apish統括クリエイティブディレクターを経て2017年、社内独立し、「JENO」代表に就任。リアルからクリエイティブまで幅のあるデザインに定評がある。2016 THAリアルデザイン部門 グランプリ、クリエイティブ部門 準グランプリ受賞。JHAノミネート多数。美容業界にとどまらず他業種とのコラボイベント『+ JENO』を定期的に開催し、美容室の新しい価値を高めている。

JENO
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-47-12 パインビレッジアネックスB1F
TEL:03-6419-3855
https://jeno.jp

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