NUMBER_28 赤松 絵利氏/ESPER

VISIONARYJul.22.2019

蒼井 優さんや綾瀬 はるかさんなど多くの女優・アーティストから指名され、 多方面で活躍されるヘアメイクアップアーティストの赤松 絵利さん。 自身がオーナーを務めるヘアサロン『ESPER』は今年6月に20周年を迎えた。 個人の活動とサロン経営をどのように「循環」させているのか尋ねた。

ヘアメイクアップアーティスト
ESPER代表   赤松 絵利


スタイルより人間的なことを発信した方がファンは増える

ESPERを訪ねたのは20周年のイベント期間中。入口にはガラガラ抽選機が設置され、お客様が当たりを出すと鐘の音が鳴り響く、楽しい雰囲気。そして壁一面にはお客様からのお祝いメッセージが! 「モテたのはESPERのおかげです」「14年前、結婚式のセットをしてもらい、今は家族3人でお世話になっています」…。その一つひとつのメッセージがお客様と信頼関係を築き上げてきた歴史そのものであり、いかにESPERが愛されているかを物語っている。

「お客様に一番お返しができること、一緒に楽しめることを考えて色々な企画を計画し、SNSでカウントダウンをしてきたので、お客様もかなり盛り上がっています!」と笑顔の赤松さん。予想を超えて反響が大きかったというのは、スタッフの履歴書写真を公開し、入社動機から今に至る想いをホームページ上に綴った企画だ。

「お客様の方から担当以外のスタッフにも『あなた、見たわよ!』と声をかけていただき、不思議な一体感のようなものが生まれ、以前にも増してお客様のESPERに対する愛着が高まっているなと感じました。ホームページではアシスタントの連載も好評なのですが、スタイルを発表するより、人間的なことをお伝えした方が、お店のファンが増えていく。目から鱗が落ちる思いでしたが、そんな面白い現象が起きています」

創立以来、ESPERが変わらず大切にしているコンセプトは『なりたいかわいいに協力します』。流行ではなく、その人のパーソナルに向き合ったスタイルを提案するため、そもそもスタイルを発信する必要がないのだと赤松さんは語る。

「お客様も『だって、その子にはなれないじゃん』というのを経験済みなのです。今、ESPERでは2020年に向け、街で出会った100人の個性溢れるチャーミングな外国人にスタイルモデルになっていただく『ESPER World Wide Style 100 in Tokyo.』というプロジェクトをホームページやSNSで広く発信しています。スタイルも単に街の可愛い子をモデルにしたものではなく、独自の視点を明確化して発信することで、ありふれた情報に疲れた人が『なんか面白そう』と、その感触だけで来てくれるのです」

 
ESPER World Wide Style 100 in Tokyo.


「かわいいの発信基地」になれるよう様々なイベントを開催

ESPERは常に「かわいいの発信基地」になれるようヘアスタイルだけでなくライフスタイルまでを提案する多目的サロンとして定期的なイベントを開催している。

「2012年に知り合いのスタイリストやモデルに声をかけてフリーマーケットを開催したのが最初でした。当時はクーポンサイトでご来店の機会を作るのが主流になりはじめた時期。自分たちは絶対に頼りたくなかったし、独自に考え、行動することでお客様に集まって欲しいと思ったのです。イベントをやると必然的にターゲットを絞ることができるので、自分たちが何を提案すればいいのかも自ずとわかるという利点があります」

これまでに音楽プロデューサー小林 武史氏の農場とコラボしたファーマーズマーケットや音楽イベントや占いフェス、イタリアンの片岡 護シェフによる幼児食の料理教室、クリスマスイベントのリース作りなど、あらゆることをテーマに掲げてきた。また、美についてじっくり学ぶことができる『ビューティーカレッジ』も好評だ。メーカーの協力のもと新作コスメを体験するブースも設け、スタイリストが色選びやメイクアドバイスを行う。

イベントの講師や協力メーカーは、ヘアメイクアップアーティストとして幅広いメディアで活躍する赤松さんが培った人脈だ。「ESPERは循環型のサロンだと思います。我々の情報が信頼を得て、顧客メリットに繋がっていく。企業側はターゲットに合わせたプロモーションができる。皆がハッピーになれる非常にいいサイクルができていると感じています」


新作コスメを使ったメイク講座イベント


イタリアン片岡 護シェフによる幼児食の料理教室


クリスマスイベントのリース作り

ESPERは縦型ではなく「円」で繋がっている会社

数あるイベントの中には、入社数か月のアシスタントがトップで企画を立ち上げ、キャリアの長いスタッフがサポートに回ることもあるという。

「多くのサロンはスタイリストになるまで半人前扱いなど序列があると思いますが、ESPERは縦型だと回せないぐらいのプロジェクトがあるので、「円」になって仕事を回しています。就職説明会でも『早期活躍、やってみたいことをやらせてくれる会社です』と説明をしていますが、何かやってみたいと思う人にはスッと刺さるようで、毎年、意欲ある新人が入社します。実際、アシスタントでもスパメニューの開発をしたり、店販売上の半数近くを売っているスタッフもいます。私は、代表として2代目になるので、第2走者なわけですが、一生懸命走って第3走者にバトンをつなげたいです。生涯現役で美容師をやりたいと言ってくれるスタッフが多いので、それを叶えられるお店を作っていきたいと思います」


20周年を記念してユニフォームを作りました


プロフィール
赤松 絵利 
 1974年1月20日。大分県生まれ。1996年、都内サロンを経て『hair and make-up esper.』に入社。1999年、宮森隆行氏のもとでヘア&メイクを学び、『esper.』のヘアメイクアップアーティストとして活動開始。2013年、『esper.』代表取締役に就任。現在、雑誌、CM、スチール、映画、ドラマ、舞台、ファッションショー等で活躍する他、美容学校などで講師も務めている。著書に『世界一シンプルなナチュラルメイクの教科書』(講談社)がある。

ESPER 
〒107-0062 東京都港区南青山2-15-17
03-5772-3900
https://esper-net.com

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