NUMBER_29 小林Ken氏/ ASSORT

VISIONARYSep.28.2019

小林Ken氏が率いるASSORT GROUPは今年で設立8年目。
直営店は東京に3店舗、ニューヨーク2店舗、香港1店舗、アムステルダムに1店舗。 FC店を大阪1店舗、シドニー2店舗展開するグローバル・サロンへと成長した。
業界の常識に捉われず、見たことのない世界を追求し続けるASSORTイズムとは。

ASSORT GROUP CEO
小林Ken


アメリカから単身、日本へ。一流の美容師を目指して

アメリカ・テキサス州のダラスで生まれ育った小林氏。なぜ、日本で美容師になろうと思ったのか、パーソナルな部分が気になった。

「親も会社員だし、特別な教育は受けていません。現地のパブリックスクールに通い、部活でアメフトやバスケをやったりバンドをやったりしていました。やんちゃだったので中学生の時から自分で金髪にしたり、ハイライトを入れたり、髪をいじるのは好きでしたね」

影響を受けたのは、木村拓哉が美容師を演じたドラマ。

「遅れてアメリカに入ってきたのを観て、美容師いいなと。日本が美容ブームなのも知っていました。でも、日本人なのに日本に住んだことがなく、文化も知らない。どんな国なのか興味があったのが一番の理由でした」


アメリカ時代の小林氏

19歳の時、単身日本へ。2年間、美容学校へ通いながら美容室でアルバイトを続け、一年後には面貸しサロンでフリーランスの美容師としてスタートした。掛け持ちで複数のアルバイトや派遣、サラリーマンも経験。苦渋も味わったが、一流美容師になりたいという夢は諦めきれず、“美容一筋”の人生を決意。  2011年、青山に『ASSORT TOKYO』をオープンしたのは27歳の時だった。


ASSORT TOKYO


現地の人たちに支持されなければ海外での成功は難しい

店名である『ASSORT』の由来はassortment(さまざまな種類の詰め合わせの意)の略で、小林氏の人生のモットー「十人十色」を意味する。そのコンセプト通り、ASSORTには得意分野が異なるヘアスタイリストが数多く在籍し、男女を問わず幅広いジャンルのデザインを提供している。必然的にお客様の層も幅広く、中でも外国人は7割を占めるという。

29歳の時、次は自分のホームで勝負がしてみたいと、ニューヨークに海外1号店を出店。そこから一年に一店舗という破竹の勢いで国内外に出店してきた。「30代前半、若くて馬力があったから出来たというのもあると思います」と長いようで短かった8年間を振り返る。

「当初、海外出店は、世界に良いサロンがないのであればメイド・イン・ジャパンの技術を提供してあげたいという想いが強くあり、在留邦人の多いニューヨークや香港を狙って出店していました。しかし、結局は現地の人たちの支持が得られなければ、長くは続かないことをニューヨークで痛感したのです。現地の人たちに日本のクオリティーを与えていくことも大事だし、今は両方にアプローチができるようにしています」

海外出店は、様々なハードルやリスクの高さも考えられるが、どのような手順を踏んで出店しているのか。

「国内でも海外でも市場とか競合を気にしたことがないし、リサーチもしません。過去のデータだし、皆が見ているので条件の良い物件は高くなる。だから直感で都市を決めたら、いきなり作っちゃいますね。最初は自分が行って街を歩いて、気に入った場所があればブローカーに連絡。会社を立ち上げ、設計は自分たちで行うので、施工会社と商材が買えるところをネットで調べて…というのが流れです。無計画のように聞こえるかもしれませんが、いきなり内装に何千万もかけて大規模な店を出店することはしません。4席とかで小さく始めて現地のお客様の評判、信頼を得てから拡大していく。失敗して撤退となるとブランドに傷が付くので、その辺りのリスクは考えています」。


VACANCY PROJECT (New York)


ASSORT Hong Kong


USFIN ATELIER produced by assort(Sydney)

 

スタッフの生涯雇用を考え、キャリアパスを用意したい

現在、グループのスタッフ数は約90人。英会話レッスンや海外研修制度も取り入れ、1〜2年目から世界で働くことを可能にしている。

「海外に興味がある人の応募がほとんどですね。有難いことに採用に困ったことはありません。最初はスタッフのことをファミリーとか子どものように思っていましたが、当社のディベロップが進んで行く中で、今はチームという感覚が一番正しいかもしれません。一人の大人として見ています。最近は30、40代のスタッフが増えてきて色々リアルに考えようになりました。会社として感謝とか精神論だけではなく、しっかりお金が稼げて無事に老後が迎えられるキャリアパスを与えたいと思っています」

今後の展開として考えているのは訪問美容。「キャリアパスの一つとして考えていますが、大きなマーケットになってくると思います。社内に部署を作り、医療用ウィッグの制作や実際に病院でカットをしたり、現実的にどこまでできるかやっていきたい。あとは、スタッフの独立を応援する意味で海外のFC事業にも力を入れていきたいと思っています。日本のマーケット縮小により、ビジネス目的だけで海外出店をしているのではありませんが、行かなくてはいけない状況になってからでは圧倒的に遅いと思います。ASSORTは毎年、海外にブランドを作り、今はタネを蒔いている状態。いずれ点と点が繋がっていく将来のヴィジョンを描いています」


香港スタッフと日本スタッフ合同の社員旅行


ASSORT HARAJUKU COLLECTION 2019

プロフィール
小林Ken 
1984年、アメリカ・テキサス州生まれ。2011年、青山に「ASSORT TOKYO」をオープン。2013年、ニューヨークに「ASSORT NEW YORK」。2014年、青山に「CLASS AOYAMA」。2015年、香港に「ASSORT HONG KONG」。同年、原宿に「CORRER(現:ASSORT HARAJUKU)」。2016年、ニューヨーク「VACANCY PROJECT」。2017年、オランダ(アムステルダム)に「ASSORT AMSTERDAM」。2018年、大阪にFC店「VOICE CO. produced by assort」。同年、青山に「CITRUS BAR TOKYO by assort」。同年、オーストラリア(シドニー)にFC店「USFIN ATELIER produced by assort」をオープン。現在、美容師、プロデューサー、フォト・ビデオグラファー、ウェブデザイナーなど幅広く活動中。

ASSORT TOKYO
〒107-0061
東京都港区北青山 2-10-28 リヘイビルB1
03-5772-6461
https://www.assort-hair.com

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