NUMBER_30 飯沼 剛氏_HAIR ICI

VISIONARYNov.22.2019

名古屋の人気エリアに5店舗、東京・中目黒に1店舗を展開する『HAIR ICI』。
昨年、創業30周年を迎えた老舗サロンでありながら、異業種とコラボレーションしたイベントを 開催するなど、様々な試みを実現しながら“美容の新たな価値”を追求しているサロンだ。 ブランディングのキーパーソンである、ゼネラルマネージャーの飯沼 剛氏にクローズアップした。

HAIR ICI General Manager
飯沼 剛


TSUTAYAとコラボなど様々なコンテンツを備えた新サロン

飯沼氏を訪れたのは、名古屋で最近注目されているエリアの一つ、鶴舞のJR高架下に昨年移転オープンした『HAIR ICI TRE』。コンセプトは「New Direction Salon」。100坪の広さを活かした空間には“衣食住美”をテーマとし、業界初となるTSUTAYA監修のブックディレクションがされた本棚をはじめ、ポップアップショップや展示、ライブなどオルタナティブなスペースとして活用できるギャラリーを併設するなど様々なコンテンツを備えた新しい形のサロンだ。

「TSUTAYAとのコラボは、オープンにあたって何か面白いコンテンツが一つ欲しくて、異業種とイベントを行う中で出会った方を通じて実現に至りました。10月末から東京・中目黒の店舗にも設置しています。来年2月には中目黒の蔦屋書店で2週間ポップアップを行う予定もあります」と飯沼氏は話す。このような異業種とのコラボレーションはいつから行われるようになったのか?

「僕が入社したのは20年前ですが、その頃は名古屋に3店舗だけで一般的なヘアサロンの形態でした。異業種と関わるようになったのは7、8年前です。アンティークショップを経営する友人と『何か面白いことがやりたいね』と、当サロンのインテリアを定期的にコーディネート(委託販売)してもらったことが始まりでした。互いにお客さんを紹介し合うことで思わぬ相乗効果が得られました。その時に、異業種と交わっていくのってポテンシャルが高いなと感じたのです」


HAIR ICI TRE×TSUTAYA本棚


ICI gallery


異業種とのイベントを企画し、サロン発のカルチャーを発信

その後、人気のカフェとコラボし、ドリンクと一口サイズのスイーツをサロンで提供するなど様々な業種との企画が増えていった。飯沼氏は「こうなったら全部一日でやってしまえ!」と2013年に年に1回のイベントとして『ICI MARKET』を本店の店舗内で開催。

「内装を褒めていただけることが多かったので、一度サロンの中に入って空間を感じてもらう機会を作りたいと宣伝の一つとして企画しました。矢場町や大須など人気エリアにある古着店やセレクトショップ、カフェなどに声をかけ、約10店舗に参加していただきました」

また、大の音楽好きである飯沼氏は音楽イベントにも着手。2016年からはアーティストにヘアメイクを施して演奏してもらうライブや6店舗対抗のカットバトルなど斬新な企画をマーケットに盛り込み『(N)ICI FES』という形に発展した。サロン発の新しいカルチャーを発信し、回を重ねるごとにその規模も拡大している。

「このようなアクションを起こして行く中で、お客様のライフスタイルに寄り添う“衣食住美”というHAIR ICIのコンセプトが生まれ、美容室の新しい価値を見出していきました。名古屋はサロンの数も多いので、差別化が必要。他と同じことをやっていても面白くないし、違うものを常に探していたのです。もともと美容師はファッションや音楽、美味しいものが好きだから、イベントはスタッフも楽しめて、お客様も楽しめると良いことづくし。運営は大変ですけどね(笑)」

2016年に東京進出をした時もオープン前に『ICI MARKET TOKYO』を開催した。

「今年で4回目を開催しましたが、東京はこのイベントで、めちゃくちゃ集客が出来ています。名古屋よりも人が動く。東京進出はゼロからのスタートだったので、開業前にこれをやったことは大きかったと思います」




(N)ICI FES 2018 

 

 “衣食住美”というコンセプトをもとに各チームが個性を発揮

従来のヘアサロンの枠を超えた様々な試みを通して“美容の新たな価値”を追求することが出来るのは、創業者である朝居 達雄氏の理解が大きかったと語る飯沼氏。

「自由にやらせてくれた、その環境が有り難かったというのはありますね。オーナーは自分で考えて行動しろ。そして、その責任は自分で取れということを大事にしている人です」

現在、全6店舗で80名近くのスタッフが在籍しているが、HAIR ICIでは数人の幹部がリーダーとなりチームを構成。テクニカルや教育を担当するチーム、ファッション性の高いクリエイションを担当するチームなどがあり、飯沼氏が率いる「オルタネティブチーム」では、フェスなど異業種とのコラボ企画や年1回発行するフリーペーパーマガジンの編集を行うなど主にブランディングに関わることを担当している。“衣食住美”というコンセプトを共有しながら、それぞれが得意分野で個性を発揮する“最強アベンジャーズ”がいることがHAIR ICIが急成長している強みであろう。

「近々、オリジナルのアパレルブランドをやる予定もあります。ヘアサロンという本質を大事にしながら、これからも今までのノウハウや横のつながりを最大限に活かして、『わぁ、次はそう来たか!』と皆さんに言っていただけるような新しいチャレンジをしたい。常に先駆者的な存在でありたいなと思っています」


HAIR ICIヴィジュアル



 ICI MAGAZINE Vol.7

プロフィール
飯沼 剛
1999年入社。HAIR ICIゼネラルマネージャーとして名古屋市内5店舗と東京中目黒の店舗を統括。ICI MARKET、(N)ICI MUSIC DAY!!、(N)ICI FES、ICI MAGAZINEなど自社企画のディレクション。ファッションや音楽etc、のカルチャーと美容の融合という“新しい美容の価値”を発信している。

HAIR ICI TRE
〒460-0012 愛知県名古屋市中区千代田3-28-37
052-212-9595
http://hair-ici.com

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