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ベルリンで感じた世界の今と日本の可能性。SHIMA×Schwarzkopfによる海外ヘアショー&GAMO視察レポート。

EVENT REPORT
Jun.3.2025

世界の美容トレンドを体感し、未来のヒントをつかむべくベルリンへ。シュワルツコフ本社の見学、日本代表サロンSHIMAによるヘアショー、現地サロンの視察といった濃密な数日間を通じ、得たものとは。

現地レポートとともに、日本の美容がいま世界にどう映っているのかを振り返ります。

シュワルツコフ本社にて、日本の美容をプレゼン

今回のドイツ訪問においてまず向かったのは、シュワルツコフ本社があるハンブルク。シュワルツコフマーケティングチームを対象に、GAMO代表取締役社長・蒲生典子氏が中心となって、日本の美容業界と自社の取り組みについてプレゼンテーションを行った。

日本の美容市場はおよそ2兆円規模、美容室数は全国で約26万軒と非常に密度が高い。特に近年では、フリーランス美容師による小規模サロンが増加し、大型サロンの数は減少傾向にあるという構造的変化が起きていることが共有された。また、サロンの形態としては「デザイン特化型」「フランチャイズ型」「組織型(多店舗展開)」の3タイプに分けられる点も、参加者の興味を引いた。

カテゴリーの中で、特に市場規模が大きいのはヘアカラーとヘアケア。パーマ市場は縮小傾向にあったが、近年では若い男性を中心に再び人気が高まってきているというデータも紹介された。

加えて、GAMO自体の事業内容についても紹介が行われた。1927年創業のGAMOは、美容室向け製品の卸売を専業とし、約300のメーカーと取引を持ち、全国約2万軒のサロンとつながりを持つ。23の拠点、グループ全体で50拠点を展開し、年間300回以上のヘアショーやコンテストを開催。東京ヘアドレッシングアワード(THA)も開催するなど、日本の美容師の教育・文化発信にも深く関与している。

また、セールスレップがサロンを訪問する日本独自の流通スタイルや、2ヵ所の大型倉庫で30万点以上の在庫を管理する物流システム、Webマガジン「ガモニュー」、デジタル化とアナログ営業のハイブリッド体制も紹介され、参加者の関心を集めた。

質疑応答では「なぜ日本ではカラー比率が高いのか?」「どうやって教育を体系化しているのか?」といった質問が相次ぎ、日本の美容業界の成熟度やGAMOのサポート力に驚きの声が上がった。

「日本の美容師が築いてきた技術と感性は、世界にとっても学びになる」と語る蒲生氏の言葉が、会場に深く響いた時間となった。

GAMOメンバーが見たドイツのサロン事情

ハンブルクでは、価格帯とコンセプトが異なる3つのサロンを視察。いずれも高級住宅街に立地していたが、それぞれの空間や接客、メニュー構成には大きな違いがあった。見て感じた、ドイツの美容サロンの「今」をレポートする。


Salon_01:Codex(コデックス) ロープライスを再定義する、勢いのある新興サロン

かつてドイツに「10ユーロカット」という概念を持ち込んだことで知られるオーナーが手がけたサロン。たった1店舗からスタートし、わずか2年でドイツ全国に350店舗を展開する急成長を遂げた。

その背景には、コロナ禍によるホームカットの普及と、それに続く“セルフ美容”への限界がある。消費者の間で「安くても一定以上のクオリティを求めたい」というニーズが高まる中、Codexは“高品質なロープライス”という新たな価値を提示した。

このサロンにはアシスタントはおらず、3人のスタイリストが毎日30~40人のお客さまを施術。セット面10台・シャンプー台3台と、ドイツらしいミニマルな空間で効率的に運営されている。

また、シュワルツコフの教育チームが強力にサポートしており、サロン内にリーダー的存在を置いてリーダーシップを育成。サステナビリティやイノベーション、そしてカラーリングに力を入れた次世代型サロンだ。

[参考価格:カット料金29€]


Salon_02:HAGEL(ハーグォー)サロン・ショップ・スクールの融合ビジネス

中価格帯のポジションを担うHAGELは、ハンブルクに11店舗、ベルリンに2店舗を展開するサロン。

店舗にはサロンとヘアケア製品ショップが併設されており、カラー剤などのプロダクトを直接購入できるため、自宅でセルフカラーを行う顧客も多い。その影響で「カラーコレクション(お直し)」の需要が増加中。これはHAGELにとって収益性の高いメニューにもなっている。

さらに注目すべきは、独自のトレーニング施設を保有し、現場のスタッフ育成にも力を入れている点。今後、原材料の価格上昇を受けて施術料金を10%ほど値上げ予定だが、それでも顧客からの信頼は厚い。効率と教育、流通を統合したユニークなビジネスモデルを築いている。

[参考価格:カット料金40€]

Salon_03:único hair(ウニコ ヘア)クラフトマンシップが息づく、ハイエンドの少人数サロン

再開発が進むハーフェンシティーに位置するúnico hairは、シュワルツコフが主催するドイツの有名ヘアアワードGHA(ジャーマンヘアドレッシングアワード)で、カラーリング部門でグランプリを受賞した実力派サロン。
セット面4つ、シャンプー台2つ、スタイリスト4名+アシスタント2名という少人数制で、落ち着いた空間の中にハイセンスな感性が漂っている。

[参考価格:カット料金61€]

今回視察したサロンでは、日本のコンテスト文化や教育体制にも強い関心が寄せられ、GAMOが主催する「東京ヘアドレッシングアワード(THA)」、GAMO関西が主催する「関西ヘアドレッシングアワード(KHA)」にも大きな興味が示された。実際に、現地スタッフは日本のカラー技術やカットの精度、それに調和させたファッションセンスに感動しており、日本とドイツの美容文化が対話を始めるきっかけにもなった。

今回の視察を通じて、日本とドイツのサロンの違いはもちろん、共通の課題や可能性も見えてきた。規模の大小を問わず、教育・運営・顧客満足をどう両立させるか。グローバルな視点で考えるヒントが、ハンブルクの街には詰まっていた。

美容の枠を超えてトレンドを生み出すSHIMA”

4月13日、ベルリンのMotorwerkにて開催されたイベント“Hair by Schwarzkopf”のステージで、ひときわ強い存在感を放ったのが、日本代表として参加したSHIMAのヘアショー“unseen tokyo”だ。トップサロンSHIMAが感じる、海外から見た東京をイメージし、東京のストリートとモードが交差するような世界観のもと、原田慎也氏(SHIMA AOYAMA/SHIMA AOYAMA PEAKディレクター)とSAYAKA氏(SHIMA HARAJUKU LEAPディレクター)が、それぞれ異なるアプローチで東京の美を世界に発信した。

原田氏が披露したのは、繊細なカットラインで構成されたレイヤースタイル。動きと軽さを両立させたそのデザインは、モデルが歩を進めるたびに表情を変え、現地のプロフェッショナルたちを魅了した。日本ならではの「削ぎ」「束感」「質感操作」が丁寧に落とし込まれたカットワークは、まさに“技術の国・日本”の真骨頂。

一方のSAYAKA氏は、和装文化にインスピレーションを得た花魁風のヘアセットを披露。伝統と前衛が交錯するような圧巻のビジュアルは、手作業で制作された華やかなヘアアクセサリーによって完成されたもの。大胆さと繊細さが共存するその姿に、観客からは思わず歓声があがった。

ステージ後、会場内では「Tokyo is so cool!」「こんな表現、初めて見た」と現地の美容師やオーディエンスから賞賛の声が次々と寄せられ、SNSでも絶賛の嵐。
あらためて浮き彫りになったのは、“J-HAIR”のポテンシャルと、世界が日本のクリエイティビティに注目しているという事実だ。

ベルリンの夜に響いた喝采は、SHIMAだけでなく、日本の美容界にとっても確かな自信となった。

原田慎也

はらだしんや/正確なカット技術でつくるレイヤースタイルと柔らかさを出す上質なカラーリングを得意とする。国内を問わず、海外からも多くの著名人に支持される人気スタイリスト。世界各国のハイブランドの旗艦店が集まる街、東京・青山に位置する「SHIMA AOYAMA」と「SHIMA AOYAMA PEAK」の店舗のディレクターを務め、日本の美容業界のミシュラン『髪カリスマ』を4年連続受賞。ヒットヘアを生み出す達人として、数多くのセミナーや撮影に引っ張りだこ。彼が常にトレンドセッターでいるのは、座右の銘「飯食って寝てヘア」通り、毎分毎秒髪のことを考えて自分を奮い立たせているから。

SAYAKA

さやか/ムードを引き出すような動きを出したヘアスタイルを得意とし、日本でも大ヒット中のヘア「レイヤースタイル」を牽引するひとり。日本のKawaiiカルチャーを生み出す聖地、東京・原宿に位置する「SHIMA HARAJUKU LEAP」のディレクターを務め、感度の高い女性客から多く支持される。その他、雑誌や広告撮影にヘアメイク、セミナー講師活動やコンテストの審査員など幅広い分野で活動し、美容師からも大注目の存在。

GAMOのこれから グローバルと日本をつなぐ役割

ベルリンでの体験を通じて、改めて実感したのは「質の高い提案」が、サロンの夢と目標を支えるということ。世界の美容現場に触れたからこそ、日本のサロンに還元すべきモノ・コトが見えてきました。ガモウはこれからも、「高品質な製品と最新の情報」を届けるパートナーとして、そして、「美容業界の発展に貢献する総合美容商社」として、グローバルな視点で、現場の声に寄り添い続けます。この旅で築いたつながりを、未来のチカラに。そして、世界と日本の美容をもっと豊かに。その思いを胸に、次の一歩へ進んでいきます。 

通訳:Sayaka Smith

企画協力:SHIMA

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