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未来をつくるキーマンたちへのインタビュー vol.20

ヘアサロンインタビュー
Jan.19.2026

SNIP STYLE 2023年2月号掲載 取材・掲載協力 株式会社コワパリジャポン

SHOWA → HEISEI → REIWA
未来ある美容業界、その先へ!

人気サロンGARDENのエースとして長年活躍し、代表に就任した河野悌己さん。200人超の大型サロンを束ねるために必要なことを模索する河野さんに蒲生会長が様々な角度から重みのある言葉でエールを贈ります。NYでの経験を経て再び日本を拠点にする今、河野さんが求める理想の代表像とは……。

気持ちを汲み取り、引き出しを増やし、
1人1人にスポットを当てたい!

河野悌己

河野 イベントやセレモニーのときによく蒲生会長をお見かけしていましたので、今日はお話できるということで本当にうれしいです。

蒲生  GARDENさんとは設立当初からお付き合いをさせていただいていますが、こうして2人で話をするのは初めてですね。ちなみに、GARDENさんはオープンしてから何年が経ちましたか?

河野 17年目です。スタッフは現在、194名です。新卒採用はコロナ禍で少し減りましたが、今春は40人入ります。

蒲生 すごいですね。

河野 2023年は多分、これまでで1番の規模になると思います。ここが1つの分岐点になると考えていて、大きな規模でさらなる高みを目指してやっていくことは、これまでお世話になったサロンへの恩返しであり、自分に課された責務であると思っています。

蒲生 素晴らしい考えですね。200人以上スタッフがいるサロンは全国的に見てもとても少ないんです。この規模になると組織力が必要になりますし、相当大変なご苦労があるのではないですか?

河野 毎日、あちこちの店舗からトラブルの報告が来ます(笑)。

蒲生 トップになると末端の小さなトラブルも耳に入りますからね。耳に入ってこないのも困りますが。GARDENの代表になられたのはいつでしたか。

河野 約2年前です。

蒲生 その頃、河野さんはNY店で仕事をされていましたよね。

河野 はい。でもNY店はコロナ禍で人材の行き来ができなくなったことなど、全体的に継続が難しいという判断で、2022年5月にクローズしたんです。

蒲生 そうでしたか。でも、様々な人種や習慣がある中で、なかなかできない貴重な経験をされましたね。

河野 そうですね。約8年前にNYに出店したのですが、僕はそちらに注力し、日本のお客様の大半は下のスタッフに任せていました。戻ってきた今、当時と比べたら僕のお客様はだいぶ少なくなった感じがありますが、代表となり、サロンに出る日が月の半分弱になった今でも、河野さんじゃなきゃと言ってくださるお客様がいてくれるので、忙しくサロンワークもさせていただいています。

蒲生 それはすごいですね。河野さんというととても大きな売上を上げられてきたイメージがあります。

河野 NY店に行く前に過去最高売上を記録し、当時としては割と大きな数字だったかもしれませんね。1日に40人くらい担当していた日もありました。営業前や営業後には撮影や打ち合わせが毎日のようにあり、さらに当時はよく飲みに行っていたので、いったいいつ寝てるんだろう……。そんな日々でした。

蒲生 ハードですね。超多忙な河野さんが美容師として1番こだわってきたことはなんでしょうか。

河野 スタッフやお客様、美容関係者の方々など、周囲の方たちとどう関わっていくかを1番大事にしてきたつもりです。技術面で言えば、尖ったデザインだとお客様のリアルにフィットせず、ナチュラルすぎると個性が出ないので、その辺のバランスをうまく取りながらデザインの選択肢をなるべく多く持ち、「これしかできない」とならないように心がけてきました。「めちゃくちゃカットにこだわってきました」とは諸先輩方を差し置いておこがましくて言えませんが、技術面も含め人との距離感を大切にしてきたというところでしょうか。

蒲生 なるほど。代表になってもまだまだ現場は続けたいとお考えですか?

河野 そうですね。当面ハサミを置くことはないと思います。「いつまで切ってるの」と言われることもありますが、たとえば新店舗を立ち上げたとき、そのお店に立ってサロンワークをしてみると、お店の空気感がよくわかるんです。ただ、その都度、お客様には負担をかけてしまうのですが、お付き合いが長い方が多いのでみなさん文句を言いながらも(笑)自分がサロンワークをする店舗まで来てくれます。ありがたい限りです。

蒲生 それは河野さんの才能ですよ。

河野 いえいえ、僕なんかは代表としてまだまだ歩き出したばかりです。そこで蒲生会長に質問ですが、企業を成熟させてみんなを引っ張っていくのに1番必要なこととは何ですか?

蒲生 僕は昭和35年に19歳で親から事業を引き継いだのですが、当時は従業員も2〜3人しかいませんでした。他の仕事をしたことも、他に勤めたこともありませんが、夢中でやっていく中で色々なことを学び、たくさんの人に出会えたこと、自分本位ではなく他人本位でやってきたこと、それが今日につながっているのだと思います。ぶつかり合いながらも人を大事にし、個性を引き出すことを大事にしてきたように思います。

河野 なるほど。とても参考になります。僕も今の時代はこちらのペースにみんなを合わせるだけでは難しいと思うので、スタッフ1人1人の気持ちを汲み取りながら、その子の引き出しを増やしてあげられたらいいなと思っています。ただ、昔と違って2極化しているかもしれないですね。すごく意欲のある子もいますし、どちらかというとプライベートを優先する子もいます。

蒲生 そうですよね。でもやっぱりどの時代でも頭角を現す人というのは、それなりに努力を積み重ねている人なのではないでしょうか。努力できるのも才能の1つと言えるかもしれません。努力を重ねた上でチャンスを掴む機会に恵まれることも、また運命なのかなと。

河野 蒲生会長はどうやってチャンスを掴んでこられたのですか?

蒲生 たとえば支店を出すかどうかの判断は、「やれると思うからやった」ということに尽きるんですよ。自分がやるからこそ価値がある、誰でもできることなら自分じゃなくてもいいわけです。そう思わないとやってられないですよ(笑)。

河野 お言葉の重みがすごすぎます……。問題が起きたときはどういう心持ちでいればよいのでしょうか?

蒲生 僕は、起きたことは仕方がない、受け止めるしかないという考え方です。誰かを責めて解決するわけでもない。それなら叱らない。何が起きても動じない。原因を究明し、責任者として迷惑をかけた方にどうお詫びするか、ということです。何が起きても動じない覚悟みたいなものを持っているといいと思いますよ。

河野 僕も動じないように頑張りたいと思います。

蒲生 ぜひ、美容師の価値向上にも尽力してほしいですね。

河野 今は自分のサロンをどう成熟させるかで頭がいっぱいで、美容業界全体への貢献まで考えがまとまっていませんが、美容師の価値ということで言えば、NYにいたとき、カット10万円みたいな人も結構いて、彼らはお客様に「どうしたい?」とは聞かないんです。「君はこれでいきなよ」って自信を持って提案するんです。つい「どうします?」って聞いてしまう空気感や関係性を変えない限り、美容の価値は変わらないのではないかなと。まずそこから始めて、ゆくゆくは美容師になる子を増やせるくらいの影響力のあるサロンに成長できたらいいなと思っています。

蒲生 期待しています。

河野 今日はありがとうございました。

どんなことも受け止め、何が起きても
動じない覚悟を持って前に進むことが大事。

蒲生茂

河野悌己(こうのよしき)

(株)GARDEN代表。2006年200坪の大型ヘアサロン「GARDEN」のオープニングに参加。2008年銀座へ自身のプロデュースサロン「drive for garden」を出店。2012年「GARDEN Tokyo」をGARDEN旗艦店として展開。2014年自らがプロデュースしてニューヨークへ出店。現在はGARDEN代表として、グループ全体牽引し、サロンワークの他、ヘアショー、撮影、サロンプロデュースなど多岐にわたり活躍中。

Photo / Toru Fujimura

取材・掲載協力

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