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未来をつくるキーマンたちへのインタビュー vol.22

ヘアサロンインタビュー
Feb.2.2026

SNIP STYLE 2023年4月号掲載 取材・掲載協力 株式会社コワパリジャポン

SHOWA → HEISEI → REIWA
未来ある美容業界、その先へ!

前サロンに在籍していた時に頭角を現し、自身のサロンHOULeを設立後も雑誌の撮影やセミナー、コンテスト審査員などで活躍中の柏木ゆたかさん。この春、新しいスタートを切ろうとしている柏木さんに美容師という仕事の真髄に迫り、経営の支えになるような言葉で蒲生会長がエールを贈ります。

美容師として譲れない思いを持って
お客様を大切にし、しっかりと人を育てていきたい

柏木ゆたか

柏木 2010年にお店を拡張移転オープンしたときに蒲生会長が来てくださったことをよく覚えています。その他にも美容週間やビューティフォースの活動を通して蒲生会長にお会いする機会がありましたが、最近ですとエリアサーキットの審査員でお世話になっています。

蒲生  こちらこそ。エリアサーキットはもう何年目になりますか?

柏木 4年目です。エリアサーキットは華々しいわけではありませんが、サロンワーカーにとって非常に大切なスキルを磨く場所だと思っています。

蒲生 レギュレーションがシンプルなのが大きな特長ですからね。

柏木 そうですね。ベーシックカットをサロンで教育するのはなかなか難しいのですが、このコンテストに出ることによって学ぶものがたくさんあると思います。僕たち審査員は年に1回集まって会議を行うのですが、みんなそれぞれカットの持論があり、それを踏まえてベーシックを構築していくのは本当に大変です。でも、カットをとことん突き詰めた美容師さんたちが集まる場に出るだけでもとても勉強になります。

蒲生 そう言っていただけると嬉しいですね。

柏木 美容師の仕事はすべてお客様のためにあり、長く美容師を続けるためには技術の向上が肝心です。エリアサーキットのテーマはまさにリアルなお客様を想定したものですから、お客様のためになるコンテストなんです。最近はSNSの情報を必要以上に重要視するサロンが多い気がしていますが、サロンの現場で本当に向き合うべきことは何なのか?を伝えたいです。

蒲生 審査員の方々がいろいろと頭を悩ませながらこのコンテストの魅力を伝えてくれているわけですね。

柏木 そうですね。でも、審査員自身もカットウィッグを完成させなければならないので大きなプレッシャーがあります。審査員も出場者もみんな1人の美容師として同等であるという気持ちです。クリエイティブは時間など環境が整わないとできない側面がありますが、エリアサーキットは若い方でもウィッグ1つで自分の日々の努力の成果を発揮することができるので、若い方にぜひチャレンジしてほしいです。

蒲生 エリアサーキットはベーシックな技術を競うからこそ価値があると言ってくださる方もいますし、ベーシックがマスターできればさまざまなお客様に応用できるようになると思います。

柏木 おっしゃる通りです。僕は昔からカットが好きで、駆け出しの頃は自腹でカットスクールに通って勉強していました。でもなかなかお客様が増えず、どうしようかなと思っていたとき、知人の紹介でニューヨークへ行くことを決意し、2年間サロンで働いていました。帰国後、PHASEに入らせていただいたんです。

蒲生 当時、相当忙しかったのではないですか?

柏木 それはもう、本当にすごかったです。ある意味、地獄のような日々でしたが(笑)、それは僕が望んだことなので苦ではありませんでした。1年弱でスタイリストになり、そこから成長させていただきました。13年間お世話になり、独立したのは2007年です。

蒲生 なるほど。もう16年もやってこられたのですね。

柏木 ありがたい気持ちでいっぱいです。僕は美容業界の仕事も少しはやらせていただいていますが、実は業界を背負っているとか、業界のために……という思いはそれほどなく、何よりもお客様が大事なんです。毎日1人のお客様に向き合い、その方の人生に寄り添って何かのお手伝いができ、お金をいただいて「ありがとう」「また来るね」と言われる、それが美容師の醍醐味ですよね。お金を払って感謝される仕事は医者と弁護士と美容師くらいではないでしょうか。

蒲生 たしかにそうですね。でも柏木さんが日々、自分の仕事を全うしてスタッフを育てていること自体が、美容業界に貢献しているのだと思います。

柏木 ありがとうございます。16年会社を続けてきて紆余曲折いろいろありましたが、この春にリブランディングすることにしました。ほとんどの子たちを独立させて、僕は数人のスタッフと共に自分の目指す美容師像をより深く追求するべく、リスタートする形です。美容師として譲れない思いを持ってお客様を大切にし、エリアサーキットを含めしっかりと教育をすることが美容業界への貢献になったらいいなと思っています。ここ1年ほどモヤモヤした思いを抱えていましたが、今はスッキリしています。

蒲生 それは大きな決断をされましたね。どんなに時代が変わっても、1人1人のお客様と向き合ってお客様をキレイにしていく美容師の仕事は絶対に変わりませんよ。

柏木 まったく同感です。ここ数年は業務委託やフリーランスの方が増えたり、デビューまでの期間が短くなったりしていて、それ自体が悪いわけでは全然ないのですが、僕は長く仕事を続けていくこと、お客様に喜んでいただくことを大事にしたいんです。サロンワークが本当に好きなんです。僕がもっと経営に軸足を置いていたら、違う方向性になっていたかもしれませんが……。

蒲生 美容の経営は、1人1人の美容師が「個」で成り立っているものを取りまとめて組織にすることですから、経営者がプロデューサーになるということです。プロデュース業には経済的な視点も必要ですが、美容師はアーティストでもあります。そこを柏木さんは大事にされているのですね。

柏木 そうですね。今は経営といっても多様なやり方がありますから、正解はないのかもしれませんが……。

蒲生 成功例はあるにしても、正解はありませんよ。僕も自分の思うようにやってきました。時代の変化の中でいろいろな形の美容師さんが出てきますが、根本は変わりません。自分が信じたやり方を追求していくのが1番です。

柏木 ありがとうございます。ちなみに蒲生会長には挫折のようなものはあったのですか?

蒲生 あまりなかったかもしれませんね。先行きを考えて悩む、挫折するというより、目の前のことを全力でやり続けてきた結果、今があるという感じです。

柏木 箱根駅伝で優勝した駒澤大学の大八木監督のように、今までとは社員の方との向き合い方を変えた、というようなこともなかったのですか?

蒲生 それもあまりなかったですね。人を使うという意識ではなく、入ってくれた人は共に仕事をするパートナーであるという感覚を大事にしてきました。

柏木 そうなんですね。素晴らしいお考えです。

蒲生 美容師さんたちが輝ける業界にしたいという思いも変わりません。美容師さんのために場を提供することが自分の役割だと思っています。

柏木 僕も自分の信念を変えずに頑張りたいと思います。今日は大変勉強になりました。貴重なお話をありがとうございました。

経営の成功例はあっても、正解はない
自分が信じたやり方を追求していくことが大事

蒲生茂

柏木ゆたか(かしわぎゆたか)

HOULe(ウル)代表。都内2店舗勤務の後、ニューヨークへ。帰国後PHASE(フェイズ)に入社。同社にて別ブランドreveを立ち上げる。在職時に「ナチュラル」をテーマにしたヘアデザインでメディアの注目を集める。2007年に独立しrivage(現・HOULe)オープン。「上質なナチュラルヘア」が人気。エリアサーキット審査員など、サロンワーク以外でも活躍中。

Photo / Toru Fujimura

取材・掲載協力

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