SNIP STYLE 2023年6月号掲載 取材・掲載協力 株式会社コワパリジャポン
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未来ある美容業界、その先へ!
サロンワークの他、セミナーやヘアショーなど多方面で活躍中の福井達真さん。今やアジアのスタンダードになりつつあるPEEK-A-BOOの高い技術を継承するクリエイティブディレクターとして若いスタッフに対して思うことや、今後の美容業界の展望について日本の長い美容の歴史を知る蒲生会長にぶつけてみました。
流行りものに流されることなく
自分の好きなことに没頭することが大事
福井達真
福井 僕が最初に蒲生会長にお会いしたのは台湾で行われたPEEK-A-BOOのヘアショーのときでした。もう20数年前のことでしょうか。
蒲生 あのときは大きな台風が居座って、予定通りに帰国できず、大変でしたね。
福井 そうでした! 当時の台湾は日本より10年遅れている印象でしたが、今はずいぶん進化した感じがしますね。今度、台湾の美容師さんがPEEK-A-BOOの講習を受けに来るのですが、国内外問わず憧れられる存在であり続けたいと思っています。特に川島先生(PEEK-A-BOO代表の川島文夫氏)を見ているとそう思います。
蒲生 川島さんは時代に流されず、いつもブレない軸をお持ちですよね。
福井 そうなんです。その一方で誰よりも流行に敏感で柔軟な考えをお持ちなんです。「TikTokやったほうがいいよ〜」ってよく言われます(笑)。
蒲生 さすがですね。ちなみに福井さんがPEEK-A-BOOに入るきっかけは何だったのですか?

福井 学生当時からカットが好きだった僕は、日本で1番カットの上手なサロンに入りたい!と思い、入社しました。でも、当時、僕の母校(ル・トーア東亜美容専門学校)からPEEK-A-BOOに入ったのは僕が初めてだったんです。その後、母校からPEEK-A-BOOに入る子も増えました。
蒲生 福井さんが風穴を開けたのですね。幼い頃から美容師を目指していたのですか?
福井 いえいえ。中学、高校とバンドをやっていて、バンドマンになろうと必死でした。しかし、なかなか難しいと思い始めた頃、『X JAPAN』のHIDEの「バンドで成功しなかったら美容師になろうと思っていた」という記事をたまたま読み、じゃあ僕も……と(笑)。親を説得して美容学校に行かせてもらったところ、勉強でも運動でも特に目立つことのなかった僕が、美容学校ではわりと褒められることが多く、この世界なら上に行けるかもしれないと思ったんです。そこで、トップを狙うのならPEEK-A-BOOしかない、と。後々、親に聞いたところ母方の祖父が美容師だったそうで。父が設計士、姉と弟は芸術系の大学に進学しているので、芸術畑の家系なのかもしれないですね。
蒲生 なるほど。福井さんは書道や写真にも造詣が深いと聞いています。
福井 ありがとうございます。
蒲生 やはり美容師さんというのはある意味芸術家的な要素もありますからね。自己表現を大切にしてほしいです。僕は表現者ではありませんが、美容師さんが自分を表現する場をつくることには注力してきました。
福井 そうですよね。本当にありがたいです。JHAでは2004年に最優秀新人賞をいただきました。2020年からPEEK-A-BOOのクリエイティブディレクターとなり、広告関連のビジュアルづくりの他、スタッフに作品撮りのアドバイスをして形にしたり、毎月撮影会をしたり。もちろん、僕自身もJHAのグランプリを狙っています!

蒲生 その日を待っていますよ。ところでPEEK-A-BOOの中には才能ある人材がたくさんいますから、抜きん出るのも大変そうですね。
福井 たしかにそうですね。個性と才能に溢れる先輩方がたくさんいます。でも僕は川島先生をはじめ先輩方の弟子となり、みなさんの思いやエッセンスを全部吸収できれば勝てる可能性があると思ったんです。誰か1人を真似しても勝てませんが、みなさんの武器を全部自分のものにできたら勝てるかもしれないなと。独立していてもおかしくないくらい素晴らしい実力の方々がなぜ辞めずにここにいるのだろうと考えたとき、それはやはり川島先生の愛が深いからなのかなと思います。そのおかげで長年、先輩方の仕事を間近で見ることができ、僕にとって大きな経験になりました。先輩方の思いを全部吸収できてはじめて「PEEK-A-BOOの福井」になれると思っています。
蒲生 なるほど。僕はお取引をさせていただくようになって30数年ですが、川島さんはロンドンから帰国され、日本の美容に新しい風を吹き込みました。今度はアジアの国々に日本の技術を伝えてほしいです。
福井 そうですね。PEEK-A-BOOの一員として僕も熱い思いがあります。
蒲生 美容の繁栄には美容師そのものの発展が欠かせません。教育はその核となる部分です。少子化とはいえ美容師になりたい子は必ず一定数いますから、どんな時代でも美容師になりたい子たちが希望の持てる業界であってほしいです。
福井 同感です。ちなみに今の美容業界の基礎ができた頃というといつ頃ですか?100年くらい前でしょうか?
蒲生 そうですね。江戸時代はみな結髪でしたが、明治になって洋服を着るようになり、髪を短くする文化が定着してからだと思います。
福井 そうなんですね。僕は美容業界に入って30年になりますが、蒲生会長はこの先の100年で美容業界がどうなるとお考えですか?チェーン店が増えるのでしょうか?
蒲生 そうでもないと思います。アメリカは治安が悪いので街道沿いに戸建てのサロンを個人で展開することは難しく、大きな資金を持っている企業がモールなどに出店するケースが多いので巨大チェーンも存在しますが、日本人はおもてなしの精神が深く、国土も狭いので個人店やブランドサロンが展開しやすいと思います。
福井 なるほど。PEEK-A-BOOはこれからも教育型サロンとして走り続け、サスーンが世界中のスタンダードになったように、アジアのリーダー且つスタンダードになりたいです。
蒲生 素晴らしい目標ですね。福井さん個人のビジョンも聞かせてください。
福井 僕はもともとカットやデザインが好きで、30〜40代はクリエイションに力を入れていました。これからの50代はベーシックを極めることに注力しようと思っています。技術の土台も含めスタッフみんなが安心できる土台づくりを僕が担わなければと、勝手な使命感を抱いています(笑)。今の若い子は何かが流行ると一斉にそっちに流れがちですが、そうではなく、周りに振り回されずに自分の好きなことに没頭すればいいと思うんです。周りを見すぎて自分の軸がなくなっている人が多い気がしています。もっといろいろなことに興味を持って自分を変えることが大事です。僕もカットだけでなくパーマや写真など色々と自分が没頭するものを変えてきました。反対に自分以外の環境=お店を変えれば自分が良くなると思って安易に転職しても、そうはうまくいきません。そのとき、そのとき、興味が湧いたことを極め尽くすことを大事にしてほしいです。
蒲生 そうですよね。美容師は個性が大事です。美容室では個性あふれる俳優を抱える映画会社のように、次のスターを探しています。
福井 若い世代の全体のレベルは上がっていますが、尖っている子が少なくなりました。もっとハングリー精神を持って次のスターになってほしいですね。僕はそのサポートをしていきたいです。
蒲生 期待しています。
福井 今日はありがとうございました。
美容の繁栄には美容師そのものの発展が不可欠。
美容師になりたい子たちが希望を持てる業界に
蒲生茂


福井達真(ふくいたつまさ)
PEEK-A-BOOクリエイティブディレクター。PEEK-A-BOO ACADEMY講師。WEB ACADEMYで動画配信のディレクションも行う。京都府京都市出身。ル・トーア東亜美容専門学校卒業後にPEEK-A-BOOに入社。美容師歴30年以上の経験から、カウンセリングする前に、瞬時に髪質、骨格を判断する。サロンワークのほか、2004 JHA最優秀新人賞、JHA大賞部門最終ノミネート多数、コンテスト審査員、ヘアショー出演、カット講師、カット本の出版など幅広く活躍中。
Photo / Takuro Miyazato
取材・掲載協力



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