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未来をつくるキーマンたちへのインタビュー vol.28

ヘアサロンインタビュー
Mar.16.2026

SNIP STYLE 2023年10月号掲載 取材・掲載協力 株式会社コワパリジャポン

SHOWA → HEISEI → REIWA
未来ある美容業界、その先へ!

メンズ美容室の新しい道を突き進み、全国に多くのファンを持つGOALD代表、中村トメ吉さんがゲスト。「男性の背中を押したい」という変わらぬ信念を貫き続け、美容師とは、美容室とはという大きな課題に挑む中村さんに蒲生会長がアドバイスを贈ります。

“美容師コンプレックス”を取り払い、
美容師の存在意義や可能性を提示したい

中村トメ吉

中村 蒲生会長にはじめてお会いしたのは2019年にGOALDを出店したときです。出店にあたりガモウさんにいろいろとサポートしていただき、蒲生会長にご挨拶をさせていただきました。

蒲生  そうでしたね。ところで中村さんはどうして美容師になろうと思ったのですか?

中村 高校時代にバンドをやっていて、音楽で自分の思いを伝えたいと思い、上京しました。最初は音楽の専門学校に行ったのですが、自分の目指していた環境とは違うと感じ、すぐ辞めてしまったんです。そこから新たに進学先を探し、たまたま美容学校を見つけて入りました。

蒲生  そのときは美容の知識は全然なかったのですか?

中村 はい。最初は全くわかりませんでした。でも、元々美容に興味はありましたし、自分のコンプレックスを隠すために誰よりもヘアをセットし、誰よりもおしゃれをすることをずっとやっていましたから、楽しかったです。でも、卒業後、最初に入ったサロンに馴染めず、辞めて1年ほどフリーターをしていました。それからいろいろな職業を経験してみた結果、やはり自分には美容師しかないという確信を得たんです。

蒲生 自分の進むべき道が見えたのですね。

中村 はい。僕の目的は「男性の背中を押すこと」なので、その後、原宿のAKROSに入り、2年でデビューしました。当時は雑誌が全盛の時代で、出版社に売込みにも行きました。25歳で店長となり、雑誌の髪型ランキング1位を何度も取って売上も増やすことができました。

蒲生 それはすごいですね。その頃に高木さん(OCEAN TOKYO代表の高木琢也さん)と出会ったのですか?

中村 はい。雑誌の企画で知り合い、すぐに意気投合しましたね。1年ほど経った頃に街でバッタリ会い、食事に行ったときに一緒にサロンをやろうと決めたんです。OCEAN TOKYOを二人で立ち上げたのですが、最初は多くの大人の方々にメンズ美容室ということを理解してもらえず、床屋ですか?みたいな(笑)。僕らのビジョンが伝わらないジレンマがありました。

蒲生 OCEAN TOKYOの登場は非常にセンセーショナルでした。理美容の垣根を超えて新時代の道を切り開き、決まったものが多かった男性の髪型が自由になったと感じました。

中村 時代がちょうどフィットしたのだと思います。当時、流行りだしたツイッター(現在の「X」)にスタイル写真を載せたりしていましたね。大変なこともありましたが人の縁に恵まれていたなと感じています。

蒲生 小人は縁があっても気づかず、中人は縁に気づいてもそれまで、大人は「袖振り合うも多生の縁」といって小さなきっかけを捉える、そんな話を聞いたことがあります。中には縁があってうまくいったことまでも自分が全部切り拓いたかのように勘違いする人もいますが、中村さんは縁に気づいたことが素晴らしい。縁があった人はまた別の縁に出会い、それが広がっていきますからね。

中村 本当にそうですね。2019年にGOALDを立ち上げ、3〜4か月後にすぐ2店舗目を出店できたのも、複数の方とのご縁があったからだと思います。でもそれからすぐにコロナ禍となり、身銭を切って社員に給料の支払いをする覚悟を持ち、1カ月休業しました。すぐに決断ができたことは、自分でも強い!と思って、そんな判断ができたからこそ、自己肯定感を下げずに済みました。

蒲生 素晴らしいです。なかなかできることではありません。コロナも終息に向かいつつある今の目標はなんですか?

中村 上場して美容業界時価総額No.1企業になります。自分と同じ苦労、不満や不安を今後を担う若い世代に味わわせたくないんです。僕は社会に出て長年、「3B」でもある美容師がコンプレックスでもありました。美容室オーナーになってからも騙されそうになったりなめられるシーンがよくあり。僕は美容師の存在意義や可能性を提示した い。今まで僕と出会って髪型を変え、環境を変えたら一気に人生が拓けた人をたくさん見てきました。全ての男性が自己実現できる世の中をつくることがGOALDのミッションなんです。

蒲生 コロナが悪い、時代が悪いと言わずに前を向いているのですね。

中村 はい。美容室ビジネスにはまだまだいろいろな課題があると思うんです。箱をつくり、採用し、育て、集客し、溢れたらもう1個箱をつくる、これの繰り返しが当たり前ですが、僕は美容室とは教育機関でありコミュニティであると定義しています。誰が何を背負っていくか、追うべきことと追わせるべきことを明確にすべきです。売上ばかり追っていても他のスキルが身につきません。

蒲生 売上に上限があるのですか?

中村 月350万円以上は出してはいけないルールになっています。生涯売上が上がり続ける人は1人もいませんし、ある一定の年齢からは下がっていきます。そうなったら終わりではなく、何かのスペシャリストやジェネラリストに転換し、自分の役割や使命を追求してもらうのが美容室にとって大事なことだと思っています。うちのバックオフィスは 9人全員、他業種から来た元お客さま。GOALDを好きでいてくれる幅広い分野の人と一緒に経営していくことは自分にとって1つの挑戦でもあります。お客様に求められる事はもちろんです。GOALD はその先の社会で求められ、社会で通用する人材を育てる事を大切にしています。

蒲生 いろいろな人が集まる環境があるのは大事なことですね。そこに新しい価値が生まれます。

中村 そうですね。自分の周りに自分をサポートしてくれる人たちが常にいるだけで不安を感じることが少なくなります。会社の都合で売上、売上と言うとみんなそこだけを追求してしまうので、適材適所で役割を与えることで会社が進化できると考えています。また、GOALDではメンズの教育プラットフォームも事業としてやっているので、地域・場所・環境問わず全国のメンズ美容師にとって均等な自己実現機会を提供できたらと思っております。

蒲生 中村さんは熱い方ですね。

中村 ありがとうございます!スタッフもみんな熱いです。スタッフがどんな夢を語っても絶対にサポートできるというのがGOALDの強みです。うちのバックオフィスは「美容師自己実現支援機関」のような感じです。オープンから4年目を迎え、ようやく体制が整ってきました。

蒲生 なるほど。美容業界はある程度のキャパシティが決まっており、その中での競争です。こうすれば成功するとい絶対的な方程式はありませんからね。

中村 はい。お客様にとって月に1回会う美容師という存在はレアな存在で、親にも友達にも相談できないことを美容師には相談できたりします。その距離感こそがメンズ美容師の一番の可能性ですし、いろいろな声を代弁する役目でもあると思っています。

蒲生 とにかく、自分が思ったようにやるべきです。経営者になった以上は自分の色をつくり、世間に勝負をかけてほしいですね。

中村 頑張ります!今日は本当にありがとうございました。

人の縁を大切にし、自分が思ったようにやるべき。
自分の色をつくり、世間に勝負をかけてほしい

蒲生茂

中村トメ吉(なかむらとめきち)

GOALD代表。1984年生まれ。栃木県出身。東京総合美容専門学校を卒業後、都内有名店で25歳で店長に就任し、店舗売上を2倍に伸ばす。当時、メンズ雑誌の人気サロンランキング1位、スタイルランキング年間1位と実績を積んだ。2013年に高木琢也さんと共同経営で「OCEAN TOKYO」を東京・渋谷にオープン。サロンの経営・プロデュース・戦略・マネジメントなどを主に担った。2019年に「GOALD」をオープンし現在に至る。

Photo / Takuro Miyazato

取材・掲載協力

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