SNIP STYLE 2023年11月号掲載 取材・掲載協力 株式会社コワパリジャポン
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未来ある美容業界、その先へ!
JHA2017など数々のコンテストでグランプリに輝いているD.C.T.の松木宏紀さん。美容雑誌は毎月全部読むという松木さんは海外で活躍することも視野に入れ、新たな目標に向かってまい進中です。そんな松木さんが今、ぶち当たっているのが「教育」と「コミュニケーション」の壁。美容業界歴60年超の蒲生会長が経験値から導き出される含蓄ある言葉を贈ります。
異業種の方と一緒に街を
盛り上げ、海外で通用する美容師になって
日本の美容を伝えたい
松木宏紀
蒲生 松木さんといえばクリエイションの達人というイメージがあります。
松木 ありがとうございます。僕は2002年にD.C.T.をオープンし、10年後の2012年に初めてウエラトレンドビジョンに出場したのですが、地方サロンにとってコンテストで勝つこと=ブランディングにつながると考えていました。しかしエリア予選で負けてしまい、翌年はどうしても勝ちたいと思い、ガモウさん主催のクリエイティブセミナーを受講したんです。すると2013年にグランプリを獲ることができました。たまたま同じ年に2店舗目のameをオープンしたのですが、オープンのときに蒲生会長がお店に来てくださったのをとてもよく覚えています。
蒲生 そうでしたね。セミナーを受講してすぐに結果を出したことは本当にすごいです。
松木 あの頃、なんだかんだ燃えていました(笑)。寝る間も惜しんで勉強していましたから。クリエイションを始めたことで人脈の輪が広がり、結果を出すとセミナーの依頼をいただくことが増えました。頑張っている僕の背中をスタッフが見てくれたおかげで離職する人もほとんどいなかったですね。コンテストという明確なゴールに向かって何十ものウィッグを切ったり、作品をつくったりしていると、短期間にギュッと成長できます。すると自分の売上が上がり、それに引っ張られてスタッフの売上も上がるんです。自然とお店が順調に回っていくようになったと感じています。
蒲生 それは素晴らしいですね。これからは松木さんのような人を育ててほしいです。
松木 はい。「日本一になったら、次は日本一を育てるコーチになる」。これが自分の仕事だと思っています。JHAのグランプリを2017年に獲ったときから教育に関してストイックに励んできましたが、難しいですね。どんなに僕が道を用意しても、それを自分のものにできるかどうかは本人次第だなと。蒲生会長は一代で会社をここまで大きくされましたが、人を育てるコツをぜひ教えていただきたいです!
蒲生 松木さんと同じ考えですよ。本人がその気にならなければ何も始まりません。ただ、その気になるような環境づくりはできると思いますが。美容師さんについて言えば、僕は美容師さんが活躍できる場をつくり、いろいろなシーンを見せてあげたいんです。世界に羽ばたくこともできるということも。
松木 そうですよね。実は5年前から英会話を習っているのですが、まだまだで…。この間シンガポールとマレーシアに行ってサロンで施術を受けたとき、コミュニケーションの大切さを痛感したんです。もし海外展開をしたとしてもそれぞれの「かわいい」の微妙なニュアンスが言葉として理解できないと話にならないと思いました。韓国に行きたいというスタッフもいて、次の課題はコミュニケーションだなと考えています。
蒲生 僕は海外では通訳をつけて会話できれば十分ですが、英会話を身に着けようと努力されることはすごくいいことだと思いますよ。

松木 ありがとうございます。海外で通用する美容師になりたいというのは目標の1つです。アジアの国々でセミナーをしたとき「カットはヨーロッパに習うから」と言われたりして、悔しい思いをしたこともありました。日本の美容はすごいと思われるよう、それをしっかり伝えていける人間になりたいです。
蒲生 なるほど、いいですね。お店としてはどんな目標があるのですか。
松木 「美容」×「○○」、という形を追求していきたいです。僕は異業種交流会によく行くのですが、カフェやアパレルなど異業種の方と一緒に、街をおしゃれにしていきたいと考えています。
蒲生 その道を極めている人と出会うと参考になることがあると思います。
松木 そうですね。ただ、アパレル企業の社長と飲みに行くと「今度、髪の毛を切りに行きますよ」って言われて。これはそもそも僕をビジネスの相手だと思っていないから出てくる言葉ですよね。その人をお客様にしたいから飲みに来ているのではなく、美容のスペシャリストとして何か貢献できないですかという話なんですけどね……。コミュニケーション力がまだ足りないのでしょうか?
蒲生 弊社が大きくなった過程においても、軒並みサロンのドアをノックして開拓したわけではありません。まずはその土地の文化に溶け込み、それからその土地を盛り上げればよいと思いますよ。
松木 勉強になります。頑張ります。

蒲生 期待しています。今更ですが、美容師になったきっかけはなんですか。
松木 実家が理容室だったので自然に理容師になりました。大阪の理容室に修行に行ったのですが、美容のほうがおしゃれだと思い(笑)、30代になってから美容免許を取得したんです。どっちが向いているということはありませんが、「理容のテクニックを強みとした美容師」というのが僕の武器かなと。美容はセンチの世界ですが理容はミリの仕事が求められるので、ミリの仕事ができる美容師というのが売りになりました。
蒲生 JHAの作品もまさにそういう緻密な作品でしたね。
松木 そうですね。僕はすべての美容雑誌に目を通すのですが、流行りに乗りすぎるより自分の強みを全面に出すことを大切にしています。やるなら1位しか狙わないみたいな。でも、ここ3〜4年はコロナ禍になり、コンテストもヘアショーもほぼなくなってしまいました。
蒲生 ずいぶんいろいろなものが変わりましたよね。コロナ禍はどう過ごしていたのですか。
松木 休みが増えたので、人との接点がないDIYと釣りを始めました。DIYに挑戦してみて感じたのは、順番をちゃんと守ってつくらないときれいにできないということです。それはカットに似ていると思いました。順序立てて仕上げていかないとデザインが完成しないんです。釣りも美容に通じるところがあります。魚の動きはいつも一定ではなく、季節や時間帯によって違いがあります。それはつまり、同じお客様でも時と場合によって気分や感情が違うので、毎回それに合わせた接客をしなければならない、というのと似ているなと。そんなことをひたすらブラックバスを釣りながら考えていました(笑)。やっぱり美容は面白い、そんな原点回帰をした時間でした。セミナーで毎回同じことを言っている自分に嫌気が差すこともありましたが、原点に帰り、思いを新たにできた気がします。徐々にスタッフにもセミナーのチャンスを与え、少しずつみんながプラスになれるような選択をし続けていきたいです。ちなみに成功された方を数多く見てこられた蒲生会長に質問です。成功している方に共通点ってあるのですか。
蒲生 うーん、ないと思いますね。多種多様ですから。ただ、とにかくすべての物事をありのまま認めることが大事なのではないでしょうか。コロナ禍のようなことが起こってもそれを受け止め、未来の糧にしなければいけません。
松木 なるほど。とてもためになるお話をありがとうございました。
成功者に共通点はない。とにかくすべてのことを
ありのまま認め、未来の糧にすることが大事
蒲生茂


松木宏紀(まつきひろき)
D.C.T./ame代表。JHA2017大賞部門グランプリ獲得。WELLA TREND VISION award 2013ゴールドアワード受賞、ワールドファイナル出場。同2015ゴールドアワード受賞。1976年生まれ。大阪のサロンを経て2002年に25歳で三重県にD.C.T.オープン。2013年にame Anniversary caféをオープン。サロンワークを中心に、セミナー講師、撮影、ヘアショーなど多岐に渡り活躍中。
Photo / SUMESHI
取材・掲載協力



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