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未来をつくるキーマンたちへのインタビュー vol.32

ヘアサロンインタビュー
Apr.13.2026

SNIP STYLE 2024年6月号掲載 取材・掲載協力 株式会社コワパリジャポン

SHOWA → HEISEI → REIWA
未来ある美容業界、その先へ!

ヘア、ファッション、コスメ、ネイルを融合させたサロンを名古屋と東京で2店舗を展開するJURK代表の沢井卓也さん。その卓越したセンスと美容師の枠を超えた幅広い活躍に業界内外から熱い視線が注がれています。蒲生会長と沢井さんの対談を通し、時代をいち早く読み、新たな世界を切り拓こうとするふたりの熱い想いが溢れ出します。

60%の勝算でやるからこそ
自分たちも頑張れるし、まわりも応援してくれる

沢井卓也

蒲生  今回は連載企画復活第1回目なんです。沢井さんよろしくお願いします。

沢井 記念すべき回ですね! ありがとうございます。

蒲生 沢井さんはコンテスト参加者から審査員へとステップアップされていますが、審査する側としてどんな思いで向き合っていらっしゃいますか?

沢井 今は業界のレベルが上がっていて、クオリティが高いのは当たり前。素敵な作品ばかりでひとつの作品を選ぶのが難しい時代だと感じています。そんな中どう甲乙をつけるかというと、その人ならではの作風が表現されているかどうか。僕もつくり手側なので、その人のやってきたことや人間性が感じられるものが深く伝わってきます。

蒲生 美容師は単なる職人ではないですよね。作品づくりをすることが美容師さんのデザイン力向上や個性の確立のきっかけになれば、という想いで僕もさまざまなコンテストに携わってきました。

沢井 コンテストは結果を出すこと自体が本来の目的ではないと思うんです。コンテストとは“らしさ”を探すもの、と捉えています。“らしさ”を確立すれば、お客様を素敵にする、その方の人生を豊かにする、まわりのスタッフを幸せにする、住んでいる街を豊かにするなど、さまざまな場面でクリエイティビティを発揮することができます。ディーラーの方が状況に合わせた商材を選ぶ、というのも僕はクリエイティブだと思っていて、ガモウさんが能登半島地震のあとドライシャンプーを送ろう、となった発想が素敵だなと思いました。

蒲生 実は僕が昨年、入院していたとき、最初のうちはお風呂も入れないしお湯を使って髪を洗うこともできなくて。ドライシャンプーがあって助かったんです。

沢井 大変だったと思いますが、経験したからこそできることがありますよね。コンテストでも、スタイルをつくってきたからこそ審査ができると感じています。

蒲生 どんなきっかけでコンテストに出るようになったのですか?

沢井 僕の美容師人生は25歳から。それまでは何者でもなくて、語れることもありません。25歳のときに先輩がみんな辞めてしまい僕がトップになったのですが、そのときに自分の信用のなさ、不甲斐なさに直面したことがきっかけです。そこからは休まないと決め、コンテストにもがむしゃらに挑戦しました。25〜30歳までは誰よりも多くのコンテストに出たという自負があります。

蒲生 奮起したんですね。

沢井 はい!予選だけでも年に5、6回は出ていて、そのときにひとりの女性をトータルでつくる魅力に取り憑かれた、という感じです。僕は全国でグランプリを取ったことはありませんが、大切なのは結果よりも過程で、遠回りしながらいろいろなところに落ちているたくさんのチャンスや大切なものを見逃さない力を身につけたことが自分の糧になりました。

蒲生 100メートル走ならゴールは決まっているけれど、美容のコンテストには絶対的な答えがない。そのときの体験にこそ価値がありますね。

沢井 本当にそうだと思います。僕はコンテストでもファッションを評価していただけることが多く、そこから自分のブランディングを確立し、サロンでアパレルを扱うようにもなりました。ファッション業界に携わることでいち早くトレンドに触れることができるので、それを僕らなりに咀嚼し、スタイルに落とし込んでいます。いつも美容業界の最先端にい続けなきゃいけないと思っています。

蒲生 トレンドというのは追っているだけでは遅れてしまうものですからね。

沢井 そう感じています。僕は経営者なので、スタッフにアドバイスをし、プロデュースをする立場です。僕のアドバイスが遅ければスタッフがそのジャンルで遅れを取ってしまうので、レスポンスの速さが求められます。自分の好みや偏見を捨て、ピュアな心でサロンの現場に立ち、どう判断するか。そのセンスが問われています。常にスタッフのためになる言葉を探しているので、今日も勉強させていただいています。

蒲生 柔軟に吸収されていますね。

沢井 自分のエゴで判断するのは間違っていると思うんです。コンテストの審査員も同じで、選ばれた以上は審査員自身もつくり続けないといけないし、いろんなジャンルを理解した上で評価しなければならない。日本はミックスカルチャーの文化なので、ガーリーとモードの間が素敵だったり、韓国と渋谷のミックスが評価されたりします。両方のジャンルを理解していないと作品を生み出すことも、審査することもできません。

蒲生 日本は寄せ鍋文化だとタモリさんも言っていましたね。いろんなものを混ぜ込んで鍋にするといい味になる、と。何を入れるかが、その人のセンス。

沢井 わかります! 主役ばかり集めてもうまくいくとは限らない。豆腐や野菜、それぞれが引き立て合って成り立っているのが日本文化だと感じます。

蒲生 日本は島国で、いろんな国の文化が入ってきた歴史があります。それを融合させてしまうのが日本人。

沢井 独自ですよね。JURKも多才なスタッフがいて、個性はバラバラ。でもそれがJURKの色になって、なんか好きだなと思ってもらえる。日本人の感覚にフィットしているのかもしれません。トレンドを追うということはブレるということでもありますが、ブレない芯があればいい形で動いていけるし、やり遂げる力にもなる。うまく変化していかなければなりません。

蒲生 表参道に出店したのも変化を求めてのことですか。

沢井 東京の表参道に出すというのがJURKの目指すべき未来だったんだと思います。コロナ禍の緊急事態宣言中での出店だったので諦めてもよかったし、やらないほうがラクだったでしょうけど、逆に確実に勝算が見込めるタイミングで出店してもおもしろくない。少しだけ勝算が上回ったとき、60%の勝算でやるからこそ自分たちも頑張れるし、まわりも応援してくれると思っています。

蒲生 成功が約束されているからやるのではなく、まさに瞬間ですよね。僕も名古屋に進出したときは、絶対にここでやるという覚悟を示すために自社ビルを建てました。我々が考えるサロンサービスを求めるお客様がいらっしゃる限りはそこでやりたいと思っています。東京に出店して見える景色は変わりましたか?

沢井 全然違います。雑誌に出る機会が増えたり、芸能人の方がいらっしゃったり。そういうことをやりたいスタッフの要望を叶えるためには、僕がその道筋をつくらなければならない。自ら波を起こし、みんなで大波に乗る。波を起こさなければおもしろくないと思っています。

蒲生 奈良の春日大社の裏手にそびえる三笠山は、春日山連山の一峰で、山頂に行くとその奥に山があって、そこに登るとさらに高い山が見えてくる。そういうものじゃないかと思いますね。

沢井 まさにそうですね。登るか、登らないかの選択ですよね。

蒲生 虫の目・鳥の目・魚の目という言葉がありますが、虫の目は目の前のことに集中する目、鳥の目は俯瞰する目、魚の目は先を見通す目。潮流に乗って進む回遊魚は、異なる潮流にぶつかると前に進めなくなる。俗に言う潮目が変わる、ということ。潮目が変わると次の流れを読まなければならない。考え続けなければ、先は見えないということですね。

沢井 蒲生会長にいただいた言葉、明日の朝礼でさっそくスタッフに伝えます。

蒲生 沢井さんのそのピュアな心を大切にされてください。

沢井 ありがとうございます!

潮目を読み、どう進むべきか判断する。
常に考え続けなければ先は見えない

蒲生茂

沢井卓也(さわいたくや)

JURK代表。1986年生まれ。愛知県出身。中日美容専門学校卒業後、名古屋1店舗を経て2019年に名古屋、2022年に東京にサロンをオープン。こだわりの空間でアパレル、ヘア、ネイル、コスメをトータルコーディネートし、トレンドを発信し続けている。

Photo / 宮里拓郎

取材・掲載協力

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