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ガモウ創業100周年企画第二弾「TRY-ANGLE #03」

Making Cover Look
Dec.10.2025

2027年のガモウ創業100周年に向けた、新感覚のフォトクリエイション企画「TRY_ANGLE トライアングルー共進ー」。第3回目は美容業界の未来を担う次世代のトップスタイリストが登場。3人の共通点から「過去」「現在」「未来」というテーマを導き出し、作品作りに取り組みました。個々に制作した後、初めてお互いの作品を目にした感想とは…。それぞれのヘアデザインへのこだわりや作品に込めた想いを語り合いました。

About Project

企画タイトル「TRY_ANGLE」は、「成長」や「拡大」をもたらす意味を持つ三角形「triangle」に、「try(挑戦)」と「angle(角度、視点)」という2つの単語を掛け合わせて、それぞれの角度・視点で「表現・技術」に挑戦するという意味を込めた造語です。三人のヘアデザイナーが、「TRY_ANGLEー共進ー」をテーマとし、撮影ルールに基づき撮影を行い、後日座談会を実施します。

撮影ルール

・テーマはKOUSEI氏が「過去」、TENDO氏が「現在」、いさな氏が「未来」。それぞれのテーマに基づいてクリエイションを表現する。テーマ以外の制限は設けない。
4時間以内に仕込み、撮影を終えること
冒頭1時間は仕込みのみを行うこと(撮影不可)
3人とも同一のカメラマンを起用すること

TENDO氏(以下敬称略) ほかの美容師の方とともに作品を作り上げる企画ということで、メンバーがとても大切だと思いました。偶然にも仲良くしている2人と一緒にということで、安心しました。いつもは違う場所で仕事をしている3人の美容師が、それぞれのこだわりや世界観を表現しながらもテーマは一つというのが面白かったです。

KOUSEI氏(以下敬称略) このような企画の撮影は初めての経験で、打ち合わせをするまで全く想像がつきませんでした。けれども同世代かつ親交のある3人ということもあり、やりたいことも表現したいジャンルも通じ合っていたのでスムーズに進めることができました。

いさな氏(以下敬称略) 100周年ってとてもすごいことですよね!歴史を迎える瞬間に携われたことがとても嬉しく、自分の美容師人生の中でも良い経験になると思いました。これまであまりほかの美容師の方と企画に出ることがなかったので、とても楽しかったです。

いさな 打ち合わせの段階で好きなものや表現の方向性は擦り合わせていたので、統一感が出たのでは。KOUSEIさんが「過去」、TENDOさんが「現在」、そして僕が「未来」をテーマに制作しましたが、担当するテーマを入れ替えたとしても同じアウトプットになりそうですね。

KOUSEI 名前が伏せられていても、誰がどの作品を作ったのかが一瞬で分かりますね。それぞれの持ち味が良く出ています。

TENDO 撮影した順番では僕がトップバッターだったので、基準を作るような感覚がありました。考えようによっては好きにできる状況だけれど、KOUSEIさんやいさなさんの邪魔にならないようなライティングを試行錯誤しました。3作品が並んでいるのを見て、お互いのらしさが表現されつつちゃんと一つの作品として成り立っていますね。

KOUSEI氏「過去」

KOUSEI 僕たちの共通点として、「ダークさ」「強さ」「静けさ」「媚びない」というキーワードが浮かび、これらを表現するために、「過去」「現在」「未来」をテーマに作品を作ることに決定しました。僕は「過去」を担当しましたが、どの年代を表現しようかと悩みました。その結果、今っぽくも見える1930、40年代に流行ったウェーブヘアとファッションに着目して表現しました。

奇跡は偶然起こるものではなく、
日頃の積み重ねの結果。
巡ってきたチャンスに
応えられる自分でありたい

心が惹かれたのは1930年代、40年代

TENDO氏「現在」

TENDO 僕の場合は、もし自分が3つとも作るとしたらと、まず考えてみました。過去はトレンドやカルチャーからインスピレーションが湧くし、未来は想像し放題。けれども現在は…? 平成もY2Kも今ブームになっているけれど過去のリバイバルですし、韓国テイストも以前から流行っています。「現在」をテーマにクリエイションしようと思うと、答えが全く出ませんでした。そこで、今の日本の世の中の空気感を表現しようと思ったんです。不安定な政治や継続する物価の上昇、猟奇的な事件。殺伐としてカオスな雰囲気が漂っていて、若者は未来にあまり希望を持てないのが現状です。けれども自分らしく生きれば未来は変わるのでは。そんな想いを込めました。

お客様一人ひとりに
向き合った結果が
技術や魅力につながる

先行きのの見えない「現在」の日本社会

いさな氏「未来」

いさな 「未来」は正直に言うと、一番やりやすいテーマだったかもしれません。僕は自らの手で未来を切り拓いていきたいという気持ちがあるので、自分らしさを表現すれば自ずと「未来」を表現することにつながるはず。そう確信していました。3人の中で一番年下の僕が「未来」を表現するというのもぴったりだったと思います。

自分が決めたことを正解にするためには
ほかに目を向けるのではなく
自分自身を突き詰めること

自分らしさを表現すれば

KOUSEI 「過去」に流行ったウェーブ感とウェットな質感を取り入れて、髪色はモデルの肌色に合うハイトーンに。とくに顔周りのウェーブはデザインのポイントです。メイクでは黒リップが強さやダークさとレトロさを際立たせるのに一役買ってくれました。衣装は1930、40年代っぽさのあるデザインをピックアップして組み合わせました。

TENDO 「現在」を表現する上で新しくも、古くもない、時代背景をあまり感じさせないデザインにこだわりました。カットデザインは時代を問わず流行っているレイヤースタイルに。ウェットな質感は少し前に流行ったので、浮遊感のあるドライな質感を選びました。目元のメイクを見せるために、前髪はかきあげるようにスタイリングしたのもポイントです。メイクさんと相談し、今の憂いの表現として、涙で滲んだアイラインや涙のように見えるツヤ感を演出してもらいました。ライティングで表現した光の筋は、黒目の中央から入るように1mm単位で調整しました。衣装は時代感が出てしまうので、あえてなしにしました。

いさな 僕は最近ハマっている2色以上を組み合わせるデザインカラーにしました。ツートンとローライトを組み合わせています。カットベースはボブで、顔周りと前髪には動きを出しました。ファッションのトレンドがYラインからAラインに移り変わりつつあるので、衣装はオーバーサイズのジャケットでインパクトを出しました。中性的なスタイルはこれからも人気が続くと思っているので、取り入れてみました。

KOUSEI 奇跡は偶然起こるものではなく、日頃の積み重ねの結果だと思っています。3人とも日々サロンワークや練習を積み重ねてきたからこそ、テーマに対して一発でこんなにも統一感があるのに個性が際立つ作品が作れたんです。ゴールまで一気にたどりつくことはできません。チャンスが巡ってきたときに、きちんと応えられる自分でいることが大切です。

TENDO SNSや雑誌、セミナー、ヘアショーなどで華々しく活躍している美容師に憧れを持つ人はきっと多いと思います。僕ももちろんそうですし、そうありたい。けれども、活躍している美容師を間近で見ていつも思うのは、お客様一人ひとりに向き合った結果の技術であり、魅力だということです。有名無名問わず、何気ない日々の積み重ねが、「ありがとう」という言葉につながったり、クリエイションのヒントになったりします。決して毎日を疎かにしないことです。

いさな みんないつも正解を探していると思いますが、自分が決めたことが正解になれば一番いいですよね。そのためにはまずは自分自身のことをよく知って、突き詰めてください。ほかに目を向けても前には進みません。今日3作品が並んだのを見て、過去も現在も未来も正解はないけれど、これが僕たちが出した答えなんです。どういう想いで作ったかが大切。今やっていることは決して無駄ではありません。日々の伏線を回収できる美容師でありたいと僕自身も思います。

KOUSEI氏氏

『ONYX』代表。1991年生まれ、香川県出身。関西美容専門学校卒業後、大阪府内1店舗、都内1店舗を経て、2020年に『ONYX』を立ち上げる。

TENDO氏

『iki』代表。1994年、大阪府出身。大阪美容専門学校卒業。大阪府内1店舗、都内2店舗を経て、2019年に『iki』をオープンする。

いさな氏

『ADITION』トップスタイリスト。1999年生まれ、大阪府出身。神戸ベルェベル美容専門学校卒業後、『ADITION』に入社。

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