Me time 〜後編〜 田野 アサミさん（声優・女優・タレント）

「本当に最高に楽しい時間でした！ 髪の毛もキレイになったし、こんなにも大きく変化させていただけるなんて。新しい自分だな、アリだなって思いました」
『me time』（前ページ）でヘアチャレンジに挑戦していただいたのは、声優として、新たな道を切り開いた田野 アサミさん。
「どういう女性像になりたいか。私はモード系とかのジャンルも分からず、明確にイメージすることが出来なかったのですが、北村さんが参考になる写真を見せてくれながら『髪のケアもするので髪を巻いてみてもいいですか？』と提案してくれました。その一言で挑戦してみようと思えたのです。私のように分からないとか髪に悩みがあって＂変わりたい＂を諦めている子も多いと思います。この記事が誰かの一歩を踏み出すきっかけになったら嬉しいです」


HAIR: Masaki Kitamura (ananda/aim)
MAKE-UP: Nana Sasaki（ananda/aim）
STYLING: Takaaki Uchida
PHOTO: Kazuki Enomoto
MODEL: Asami Tano

ダンス＆ボーカルユニットでデビュー

田野さんのキャリアは、2002年、ダンス＆ボーカルユニット『BOYSTYLE』としてデビューしたことからスタートした。アニメ『ONE PIECEの』のOP曲『ココロのちず』などヒットナンバーを世に送り出したが2007年に解散。その後は、女優・タレントとして、数々のドラマやバラエティ番組に出演してきた。

人生に二度目の大きな転機が訪れたのは2011年。テレビアニメ『トリコ』のオーディションに受かり、声優デビューを果たした。

「声優さん達がどんなオーディションを受けているのか、見てみたいと思ったのがきっかけでした。未知の世界に飛び込むのは勇気のいることだけど、やらないという選択肢はなかったですね」

しかし、放送が開始されると、Googleの検索ワードで「田野 アサミ 下手」など厳しい意見も耳に入ってきたと言う。

「せっかく選ばれたのに悔しいと思いました。耳の肥えたアニメファンや原作を愛している方達からすれば当然の意見で、原作のキャラクターにも失礼。そこから現場では先輩方のやり方を徹底的に研究して、何回も練習しました。分からないことがあれば手を上げて『すみません、教えてください！』と、スポンジのごとく吸収するのだと言う気持ちでしたね」

私でも誰かの勇気になれるんだ！

翌年、人気テレビアニメシリーズ『スマイルプリキュア！』の日野あかね／キュアサニー役に大抜擢。セーラムーン世代の田野さんにとって憧れの変身モノ。しかも地元言葉の関西弁を話すキャラクターに特別な思いを感じた。また、被災地や病院生活を送る子ども達に向けてビデオメッセージを送るなど、様々な経験や学びも多かった。

「私でも誰かの勇気や憧れの存在になれるんだと知った作品ですね」

その頃から、SNSには「田野さんイイ」「キャラクターだけでなく田野さんのことも好きになった」「あの時の田野に謝る」などのコメントが増えていった。

「皆さん、私の成長を見てくれていたのです。本当にありがたいことです」

現在は、アニメ、原作を実写化したライブや舞台など2.5次元コンテンツも人気だが、『ラブライブ！ サンシャイン‼︎』、『ゾンビランドサガ』でアイドルグループのメンバーを演じた田野さんの2.5次元ライブも話題だ。10代の頃から培ってきた歌唱力とダンスパフォーマンスは圧巻そのもの。

「夢だった大きなステージに、役が連れて行ってくれました。人の輪に感謝をしつつ、思いっきり楽しんでいる私がいます」

『BOYSTYLE』時代の曲も再評価され、今年２月には初のベスト盤『BOYSTYLE ゴールデン★ベスト』も発売された。

その人気は国内だけでなく、世界にも波及。コロナ以前は、行きつけの美容室に「田野さんと同じヘアカラーにしてほしい」と来訪する外国人も多かったと言う。