SDGsに取り組むカットショップ ショーン

Take ActionMay.26.2023

美容業界でSDGs(持続可能な開発目標)に取り組む 企業・団体をご紹介するTake Action。
第6回目は、令和4年度リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰で 「内閣総理大臣賞」を受賞した 青森市の美容室『カットショップ ショーン』(有限会社ショーン)です。


「いつまでも 人も 地球も美しく」
永続する楽しい日常を作る道を
美容室からお客様へ


有限会社ショーン
代表取締役 長尾 浩二氏 


3R活動等が認められ
「内閣総理大臣賞」を受賞

1997年に青森市で創業した『カットショップ ショーン』は、ミッションに「いつまでも 人も 地球も 美しく」を掲げ、この精神をいつものサロンワークでお客様にプラスになるよう、3R※推進活動や環境保全活動、人道支援など、自分たちの出来る小さな事を試行錯誤しながら行なってまいりました(3参照)。

2008年からは、青森県の二酸化炭素やごみの排出量を減らしていくためのエコアクション『あおもりエコの環(わ)スマイルプロジェクト』に参加。「あおもりECOにこショップ」に認定され、毎年、当社の活動をレポート提出しています。その中で今回、青森県から推薦をしていただき、3Rの推進に貢献した環境関連団体に与えられる令和4年度リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰で「内閣総理大臣賞」を受賞いたしました(1参照)。近年の受賞団体・企業を見ると、トヨタ自動車や花王、RICOH、宝酒造など日本を牽引する名だたる企業ばかり。その中で、美容というサービス業、そして個人の小規模経営店として初の受賞となりました。国からのメッセージだと思いますし、“時代の転換期”が来たなと感じました。
※Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の総称。

環境負荷の見える化
身近なことを工夫して3R活動
他者と協力して環境保全

私自身、美容師を志した時から、股関節の痛みや原因不明の不定愁訴に苦しみ、何度も挫折を味わいました。そのたびに周囲の方にもご迷惑をおかけしてきました。もう美容の仕事は無理かと思っていた時、友達の縁でベルコアッフ・ウシヤマ銀座店に入社。会長の故牛山 喜久子氏は、環境に対して意識の高い方で、「フロンガスの使用を美容室からなくそう」と宣言し、業界内でいち早く実践した方でもあります。私はそこで多くのことを学び、退社後は環境先進国のニュージーランドやヨーロッパでヘアの技術と環境のことを学んだ後に帰国。地元で独立開業を目指したという経緯が、当社のミッションに繋がっています。

しかし、開業当時の日本はまだ環境問題が身近なこととして捉えられていない時代で、ミッションもどこまで顧客に理解してもらえるのか、分からない状況でした。その中で、スタッフの誰か一人が頑張るのではなくなく、全員が最初のうちはよく分からなくても行動ができるように、まずは美容室において変動費(売り上げに応じて変動する費用)にあたる電気や水、灯油の使用量を売上1万円当たりの使用量でグラフ化して提示し、「資源を見える化」することから活動を始めました。そして、次の段階として2008年には社内プロジェクトの一つとして「もったいないプロジェクト」を設置。プロジェクトリーダーを中心として、スタッフ全員が技術工程を見直し、業務そのものがどこからでも3R活動に繋がることを念頭に置いて活動に取り組みました。

そのうえで、エネルギーに頼らなくてもいい部分は私たちの工夫で。頼らざるを得ない部分は自然エネルギー(2参照)等、他組織の力を借りてと、ミッションを実現する段階を設け、緩やかに活動を広げてきました。しかしながら、“25年間サロンを 続けてこれた”ということがエコロジカルな活動を続けることができた一番の理由です。妻の支えもあり、スタッフの3人が23年以上、短時間勤務の1人が15年以上と、4人の少ないスタッフではありますが、皆長い間努め続け、自ら考え自分が出来ることに取り組んでくれています。今回の受賞で国がこのように評価してくれたことでスタッフも迷いが消えたと思います。ここからがまた新たなスタートだと思っています。

SDGsは、私たち美容師が選択をすればいいだけの時代になっている


当店のお客様は一般的な意識の方ばかりでしたが、フリーペーパー(4参照)などを通して啓蒙し、関係性の構築ができてきました。大切なのは自分の近くにいる人も、ずっと離れた場所にいる人も同じ人という共感力です。自分たちがきれいになるために、使う商品が、どこから来ていて、どんな環境で作られ、人や地球にどんな負荷を与えているのかいないのか。そういった情報を伝達するキーとなるのは消費者(お客様)と接する時間の長い、全国の美容室。今後は、消費者からボトムアップすることが社会変革に繋がっていくと思いますし、私たちは選択をすればいいところまで来ているのです。

今はSDGsの観点でものづくりをしてきている「環境に配慮した製品」を選ぶことができます。そして「環境に配慮した流通」として、ガモウさんのようにコンテナボックス配送をしてくれるディーラーを選択することができます。さらに私たちは配送に使われていた再生紙の緩衝材をゴミとして捨てる前に再利用しています。

勿体(もったい)とは、モノやコトの本質。それを無くするから勿体無い。先ず、一人一人が日常の小さなもったいないを見つけ、“持続可能な未来への探究”を始めてみてはどうでしょうか。


令和3年4月〜令和4年3月迄の、主な3R活動







その他、環境保全や人道支援に関わる様々な取り組みをしている団体に、継続的に募金によるサポートをしている。



カットショップ ショーン
http://www.schonschon.com/main.html
青森市新町1-12-4

 

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