ガモウニュース 撮影の舞台裏 FELIZA_宮間 タカヒト氏

Making Cover LookMay.28.2020

GAMO NEWSのテーマは、“瞬間”を意味する『Moment』。
カバー&ヴィジュアルを手がけていただいたのは、THA 2019クリエイティブデザイン部門でグランプリを受賞されたFELIZAの宮間 タカヒト氏です
まさに「今、この瞬間がすべて」と輝き、咲き誇る、女性像を感じてください。

宮間 タカヒトがイメージする「Moment」とは
—テーマからイメージしたことは何ですか?

テーマはMoment=瞬間美と解釈。キーワードに挙げられていた「個性」「ボーダレス」「ポジティブ」「強さ」も自分が得意とするワードだったのでイメージがしやすかったです。前職で『TONI&GUY』にいたこともあり、70年代のイギリスのROCKが好きなのですが、それは音楽だけでなく、自分を貫き通す強さみたいなSOULの部分も含めて好きです。

今、新型コロナウィルスに関して色々な情報が溢れ、何が本当なのか分からないような状況にあります。ウィルスとは共存していかなくてはならないことを覚悟しているのですが、でも絶対に負けたくはない! 当サロンでは感染防止対策を徹底して営業を続けています。なので、今回は、このような状況の中でも、ブレることなく自分を貫き通すことができる、強い女性像をクリエイションしたいと思いました。今年は地毛のカットにこだわり、同じモデルで既に10作品を創っているのですが、その中でも一番の出来になったと満足しています。

表紙の作品

中面の作品(右)

中面の作品(左)

カット、カラー、スタイリング、メイクのポイント
スタイルのポイントを教えてください。

<表紙の作品>

・カットのポイント
自分の中で今年、進化させたいと思っているのが、ビックシルエットの中にミニマムなデザインをすることです。これは今回、3つの作品に共通しています。
表紙は、リーゼント風でメンズライクなカッコ良さを出したスタイルです。全体のシルエットは「大胆」に、おくれ毛や細かいうぶ毛の部分はフィンガーウェーブで「繊細さ」を表現しています。

・スタイリングのポイント
モデルさんの髪が前に向かって生えているので、髪をよく濡らしてからTIGI BED HEADのスーパースターとムースをつけ、TIGI BED HEADのスティック ワックスでグッと上げています。フィンガーウェーブにはジェルを使っています。

・カラーのポイント
少し前まで金髪だったのですが、今回の作品は潔さを出したかったのと、本人の希望もあって黒髪にしました。バック紙は白を使い、対比でシルエットが美しく見えることを意識しています

<中面(右)の作品>

・カットのポイント
自分が得意とする動きのあるスタイルを2作品創りたかったので、その中間となるようなタイトなシルエットのスタイルを創りました。ウェットな質感で徹底的にベタッとさせて、エッジを効かせています。“強い意思”を「丸さ」の中で表現してみました。

・スタイリングのポイント
顔まわりはハードジェルでビタっとつけています。水兵さんがセーラー帽をかぶっているようなイメージです。

<中面(左)の作品>

・カットのポイント
ここ最近は、常に地毛で攻めるカットスタイルを考えています。毛量が多いモデルさんなので、中は刈り上げ、縁は残す。そうすることで厚みがなくなり、毛先に躍動感が出るカットです。『TONI&GUY』に在籍していた時にアンソニー・マスコロ(現INFRINGE)が考案した「アスレティコ」と言うスタイルをベースにオリジナリティを追求しました。

・スタイリングのポイント
顔の骨格が縦長なので、スタイリングの時に顎を上げてもらい、毛先を動かすのがポイント。こういう毛先の動かし方が自分の代名詞になればと考えています。土台はTIGI BED HEADスーパースターである程度形をつくり、TIGI BED HEADのハード ツゥ ゲットとマスターピース ヘアスプレーで仕上げています。

・メイクのポイント

メイクは3つの作品にそれぞれポイントとするところを変え、キャラクターに変化をつけています。
表紙は、アイラインを強調。
中面(右)は、眉毛を強調。
中面(左)は、リップで攻める。

 

クリエイションは「準備がすべて」だと思う
撮影までに準備されたことや、今回の撮影チームについて教えてください。

まず、テーマをもとにイメージを考え、デッサンをします。今、自分の中でちょっと飽和状態になっていて、正直、何をしていいのか分からなくなっています。そこで『VOGUE』などのファッション誌を見て、今、世界のファッションシーンで何が流行っているのかをリサーチし、自分にマッチしているワードがあればピックアップ。そこからイメージを膨らませていきます。

今回は地毛をカットするので、事前にウィッグや妻をモデルに練習をしたのですが、昨日まで緊張して吐きそうでした(笑)。本番は一発勝負なところはありますが、やはり「準備がすべて」だと思います。

撮影チームですが、カメラマンの奥村さんとは今回で2回目のセッションになります。伝えたいことをすぐに理解し、汲んでくれるカメラマンさんなのでお願いしました。全体で見た時に「ファッション」としてカッコよく撮りたいということ、自分を貫き通す強さのある女性像であることを伝えました。ハードなモチーフに対し、クリスタルの反射などを使い、柔らかな光の演出をしてくれたのは流石だなと思いました。

メイクは妻が担当しました。僕もsvk でメイクを勉強したので、本当は自分でメイクまでやりたいのですが、全体を見通す上ではヘアに特化したほうがいいと、最近はお願いすることが多くなりましたね。

サロン、撮影現場は常に真剣勝負なのでスタッフには厳しくしてしまいますが、一期一会の思いでデザインと向き合い成長してもらいたいので自ら考え、自信を持ってもらえる様に自戒を込めてアドバイスをしています。

お客様への「付加価値」としてクリエイションをやるべき
クリエイションに取り組むようになったきっかけを教えてください。

TONI&GUY時代からクリエイションはやっていました。2000年にTONI&GUYの世界コンテストで、当時1000人のスタッフの中からグランプリを受賞しました。しかし、その経験があったことで、ちょっと天狗になってしまったのと、もし次に出した時に予選すら通らなかったら…という怖さもあり、しばらくクリエイションをやらない時期があったのです。

でも、FELIZAに入店後、「お客様への付加価値とは何だろう?」と考えた時に、再びクリエイションをやってみようと思ったのです。しかし、そこから7年ぐらい何のコンテストにも引っかかりませんでした。それで嫌になり、またクリエイションを辞めてしまいました。

転機となったのは、TONI&GUY時代に自分が教えていた後輩が「ウエラ トレンドビジョン」のジャパンファイナルに出た時です。会場でその姿を見て奮起しました。そこから、コンテストで賞に入っている人達の作品を徹底的に分析し、模写するように作品を創り続けました。それが功を奏して、2012年、「ウエラ トレンドビジョン」のエリアファイナリストに。ですが、そこからTHAに出してもノミネートに止まるといった時期が続きました。

「自分には何が足りないのか」を知るために、THAなどコンテストを通して知り合った撮影仲間たちとフォトセッションをして技を盗みました。盗んで、盗んで、オマージュして、自分のオリジナルになるまで練習したのです。同じモデルでA〜A10’まで創り、完成度を高めていきました。最後に創った作品が2019年のTHAでクリエイティブデザイン部門グランプリ受賞。別カットがJHAの関東エリア賞を受賞することが出来たのです。


THA 2019クリエイティブデザイン部門グランプリ受賞作品

受賞を報告すると、「私が選んだ美容師さんに間違いはなかったわ」と泣いて喜んでくださるお客様もいました。おかげさまでたくさんのお客様に来ていただくことが出来ています。
色々なヘアデザイナーがいると思いますが、僕はクリエイションなどで日々練習を積んでいるからこそ、自信を持ってその対価をいただけるような「一流」の美容師を目指したいと思っています。


チャレンジして「自分印」を創ってほしい
若い美容師さんに向けてメッセージをお願いします!

クリエイションって本当に人生に例えられるなと思っていて、産みの苦しみとトライ・アンド・エラーの繰り返しだから辛いことも多い。僕も20年掛りでやっと結果が出ましたから。それが偉いとも思わないけど、若い美容師さんにもいい作品を創ってほしい。

業界もお客様も明るくなるし、もっと盛り上がっていくと思うし、僕もクリエイションを通して「自分印」を創っていきたいと思います。

これからの美容師さんがSNSなど今のメディアを活用するのは良いこと。ただ、それだけでビジネスライクな美容師になるのではなく、自分の哲学を形にするためのツールとして「クリエイション」というものがあるのだから、是非、頑張ってチャレンジしてみてください!

「あの人の作品、カッコいいよね」と言ってもらえるような美容師に僕もなりたいと思います。

COVER LOOK BY
TAKAHITO MIYAMA_FELIZA

HAIR/Takahito Miyama(FELIZA)
MAKE-UP/Takako Miyama(FELIZA)
PHOTO/Koki Okumur
MODEL/Kir 

宮間 タカヒト氏
千葉県船橋市出身。船橋市立船橋高等学校卒。マリールイズ美容専門学校卒業後、1993年に『TONI&GUY』に入社、雑賀健治氏に師事。2005年、両親創業の『FELIZA』に入社。svk  13期。2019年、THAクリエイティブデザイン部門グランプリ受賞。同年、JHA関東エリア賞受賞。メーカー、ディーラー主催のコンテストでも数々の結果を残す。
http://www.feliza.co.jp

 

 

 

 

 

 

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